葛根田はぶっとんだ!

葛根田周辺沢旅(増水撤退&なめこ!行)


2011/9/17-19  メンバー:うど子


腰のリハビリをかねた癒しの葛根田沢旅。

当初の計画は、小和瀬川中ノ又沢スズノマタ沢から上がり葛根田中ノ又沢から下りて、ちょいと本流を下って大石沢戸繋沢を詰めて帰る予定だったんですけど…


でも、でも…葛根田はぶっとんだ!


9月最初の連休、坐骨神経痛のリハビリと「癒し」を目的にみちのくひとり沢旅の計画を立てた。

木漏れ日まぶしい穏やかなぶなの森の流れの傍らの台地でのんびり焚き火に釣りに昼寝にビール いいでしょ!これ!


夜行格安高速バスのアプローチ、ぶな、綺麗でやさしい癒しの沢、イワナ釣り

こんなキーワードに毎回引っかかる葛根田川


勇んで乗り込んだ格安高速バスは激安なのでトイレはナシ、毛布その他ナシ、席は狭くて窮屈なのね。。運悪く、となりの席のオネイサンは巨大でした。しかもちょっとだけコワいタイプ

私の華奢な体の上に遠慮なくその良く育ったお体を乗せてくるので全然眠れず。

体勢も変えられず腰痛し。

同じ料金払ってるんだからね…

前置きが長い。


夜半雨脚が強まるとの予報にどんよりしてしまい、計画を縮小。スズノマタはカット。あ~あ、ホントはスズノマタが一番の楽しみだったんだけど。

仕方ない。乳頭温泉側から蟹場経由戸繋沢下降して、葛根田本流出合あたりをベースに釣りまくって同ルート戻ればいいやと行動開始。


戸繋沢を下降。地質の関係と思うけど水の色がなんかヘンだよ、バスクリンみたいな真っ青な釜。ちょっと飲む気しないなぁ。

そういえばイワナが走らないね。


そうこうするうち雨がとうとう落ちてきた !


朝一から降るはずだったんだからまあこれくらいなら御の字か。


なんてのん気なこと言ってたら雨脚が強まってきちゃったぞ!

まぁ、これも想定内ではある。


実は葛根田は去年も訪れていて、まっ茶色の濁流に涙をのんで沢をあきらめ、土砂降りのなか泣く泣く縦走だけして小屋に泊まって帰ったのだ。

以前葛根田を下から詰めたときは、遡行後に大増水。

過去2回、いずれも洪水で被害が出て大ニュースになったほどの大雨。

その時のシーンが頭をよぎる。。


まぁ、今回は大丈夫っしょ!(と、わざと頭の中から消す )

今晩から明日の午前中は増水でダメでも、下山日にはちゃんと減水して戻れるっしょ!なんてまだまだお気楽。


でもまぁ、念のためエスケープのカードは数枚は残しておかないと。

てなお気楽なノリで、C805あたりの枝沢の出合のちょいとした台地にタープを張って宴会。ここからなら増水してもまぁ、一日あれば逃げ帰れるっしょ。


うん、よしよし。

高台だからこの雨くらいなら大丈夫そうだし、いざとなれば裏のヤブに逃げられるし、この枝沢からエスケープできんじゃないの

明日は竿持って本流までお散歩行くもんね るんるん


なんせ、目の前の沢にお魚はいない

私は釣りに来たのだ!明日は絶対に沢山釣るんだもんね!

きれいなうちにお水をたくさん汲んで、あとは大雨洪水警報なんちゃらを告げるラジオなど聞きつつ定番の宴会


ずい分降るなぁ…と思いつつもシュラフにもぐる。

が、降りすぎだ!ずぶ濡れだ! 苦労してつけた焚き火も消えちゃった。

何度も増水の度合いを確かめながら、見ないふりをしてまんじりともしない一晩をすごす。

良くあることさ… 昨日に引き続き土砂降りの朝を迎えた。

コーヒーでも飲んで落ち着こう。


って、ごちゃごちゃやってる間に、結局はムクムクずんずん増水!オォ、ヤベエ。

ま、まずい。とりあえず逃げっぺ!

こんなときは、「あせんな!落ち着け!」という我が会長の教えが頭をよぎる。

私の座右の銘として、ピンチの時こそこの言葉を胸に刻んでいるのだ。


まっ茶色の濁流…う~む、もう沢床にはかかわることは出来なくなってしまった。

地形図をながめると、この枝沢は登山道のある稜線まではつながっていないが、周囲の等高線ともに緩くヤブコギが大変かもしれないが死にゃあしない!ということがわかった。

この枝沢詰めてもただのヤブに消えるだけなので、源頭部近くでヤブコギで尾根をまたいで、稜線まで繋がっている隣りの沢に降りる必要がある。

常に自分の現在地を把握しつづけることが肝なり。


さぁて、行くしかないね!

クマちゃんに鉢合わせしないよう、笛をピィピィぜいぜいハァハァ。


なるべく沢のギワギワを行くことにする。

幸いなことにそこそこ歩きやすいヤブだ。ミクロなルートファインディングが気分良く決まりにんまり


ところどころ泊まりたくなるようなメルヘンなぶなの台地がぽっかり。

はれまぁ、なんと良いとこだっぺ

ほぼ5mおきに地形図ながめ、周囲の地形を見回し、コンパス振って、高度確認し、偵察に行きと緊張感たっぷり。その間もピーピーはおこたらず

きのこまで探さなくてはならず忙しい!


悪いところは皆無で、しかも時間に余裕があるのが救いだ。

戸繋沢本流よりこの支流のほうがよほど歩きやすそうだ。ぶなの台地のテンバも随所にとれる。


源頭部近くになるとさすがに水量も少なくなり、渡渉できる箇所が出てくる。

だんだん沢を歩けるようになり行程がはかどる。


そしてなんと!今山行のハイライト!じゃ~ん!

ナメコ発見

マジびっくりだよ!マジびっくりですよ~~ ちょっと気が早くないですか~!


10センチあまりにもカサの開いた虫食いもないピカピカの上物!

スーパーの袋にいっぱい

来た甲斐がありました。やっぱり沢はいいですね!

う~む。やはり上物の獲物をゲットしてしまうと、人間とたんに明るく機嫌よくなるものだわね。


もう、誰かに知らせたい一心

「すげ~!」とか「うっそ~!」とか言って言ってぇ!


ふと流れを見やると、7,8寸のチビイワナ達が頭を上流に向け定位している。

よいねぃ

やはりこっちの枝沢のほうが水質も良いようだ。も~、泊まっちゃうか!

なんて浮わついてもいられません。


ここいらみたいに高層湿原を頭に控える地形は、まったりしてるうえに、沢は蛇行し毛細血管のように広がっているもんだから油断大敵。

そのうえ、だいたい2万5千地形図つったって、10m未満の凸凹は表現されないわけで、例えば9m99センチの凸凹があったって地形図には現れないのであるよ。

死にゃあしないが、地形のクセを読んだり勘を働かせたり現実はやっかいなのだ。


それでもどうにかこうにか、「ここまで来れば明日のバスには間に合う!」という第一目標の地点には到達できた模様。

時間はまだ昼前。ぶなの台地に泊まっちまうかな?

とも考えたが、装備はびしょ濡れだし時間も早いし田代平の小屋を目指すことにした。


ピンポイントでの現在地特定に成功!思惑通りにぴったり尾根を乗越し目指す隣の沢にほんの数十メートルのヤブコギで最短距離で降りることができ、無事登山道に抜ける。やったぜ

あ~、マジで地形図真剣に読んだわ(^^;)


がっしりとした立派な小屋は、天気の悪いときは天国です!

ナメコの味噌汁、ナラタケのクリームシチュー…

濡れた装備をぶち広げ、おパンツも干してと、ベロベロに呑んじゃうぞ~

きゃっほ~


翌日は雨の中乳頭山まで酔っ払いが散歩をしました。


今回も雨で思いは遂げられなかった…だけど、なぜか充実感満点。

やっぱり葛根田はいいとこだ!と、思います

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沢登り山岳会 遡行同人 梁山泊 - 山をまるごと楽しむ!

遡行同人 梁山泊は「沢登り」を中心に、山スキー・岩登り・アイスクライミング・雪稜登山など、四季を通じて山をまるごと楽しむ山岳会です。拠点は東京で、安全登山を心がけており焚き火、山菜&きのこに興味がある方、未経験者・初心者も大歓迎です。