飯豊連峰 胎内川 楢ノ木沢 堂沢
2012 /9/15~17
メンバー : CLトミー、タッキー、NASさん、うど子、マサ、勇ちゃん、伸
当初は南アルプスの黒桂河内遡行の予定だったが、山行直前になって下山路に問題がある事が判明し、急遽飯豊の胎内川支流、楢ノ木沢堂沢に転進となった。
近頃は台風や集中豪雨の影響で沢や登山道が変貌しており、情報収集は欠かせない。
いったい誰が悪いのか、ただの自然現象なのか。
14日夜、マサ邸に集合し関越道で新発田へ。
下山地の二王子岳駐車場に深夜3時頃到着し軽く飲んで仮眠。虫が多いので蚊取り必携です。
15日朝7時にジャンボタクシーで胎内ヒユッテに向かう。1時間チョイで到着。
7人と人数多くお得な作戦である。
のんびり支度して9時前に出発。
トンネル経由の道は監視員がおりダメ出し。で、予定通り裏手から本流を渡り向かいの尾根にとりつきアゲマイノカッチを目指す。
このアゲマイルート、登りは道がよく、1時間で乗越しまで着いた。
飯豊らしい背の高いブナに囲まれた穏やかなアゲマイ、汗を拭いながら見上げるとブナの幹にはずい分上のほうまでクッキリと熊の爪あとが残る。
なかなか良いところだ。
周辺の稜線にはヤブがちではあるが踏み跡も多く、このあたり残雪期にも是非訪れて自分なりのルートを描いてみたいものだ。
ウド子がキクラゲないかな~と探す。「胎内の夕べに食しキクラゲの未消化のままをじっと見ていし~字余り」我が会では有名な会長作の一句を誰となしに読む。フム。
下りは道がすぐ消えて、やぶの薄いところを目指して潅木を掴んでの下り、沢型に入って楢ノ木沢400m付近に降り立つ。
C400付近の楢ノ木本流に降り立つ。暑い!
9月半ばだというのに暑すぎなので、大休止して水浴び大会。
タッキーと伸ちゃんがなぜか水中メガネをかけて泳いでいる。用意がよいというべきか?
二俣までは2時間の遡行となるが、この暑さのおかげでプール状態の沢を浸りまくり、時々竿も出す。
連休なので釣師が多いかと思っていたが、どうやら先行者は居ないようだ。
釣り素人の伸ちゃんを師範の勇ちゃんが指導。弟子は5寸、師範は尺上の成果。なるほど。
ゴルジュ帯も水が少なく水温も高いため苦も無く通過。
楽しんで遡行していると、突然の雷。このゴルジュでやられたらやべーぞと、急ぎ足に。
鴨沢との二俣に2時過ぎに着き、待機していると、ザーと雨。時折雨脚が強まる。
もう少し進んでから泊まる予定だったが、まあ時間にゆとりもあるので、「今日はここに泊まりましょう。」
幕場が決まればやることは素早い。各自何も言わずとも分担作業。
テン場設営後各自釣りに出かけるが、マサはデカい熊にガンを飛ばされて戻ってきた。
最近スキンヘッドやめて人相良くなったはずなんだけどねぇ。
幸いに雨もやみイワナの刺身付きでいつもの大宴会となった。
16日、4時起きで7時発。
今回いつものまったりスタイル。だが今日は難場が待ち受けている。
熊の気配濃厚な河原をしばらく進むと、ゴルジュに。
滝をこなし、15mの滝。右から巻くか左から巻くか…。
過去の記録で、右岸のルンゼが早いと知っていたが、取りついてみて、悪さにあせる。見た目よりずっと悪い。ナッツがかろうじて決まり、目をつぶり乗越したがあまり心臓によくない。
飯豊の3級はピリ辛ですね。
右岸か左岸か…右岸を選択したが、悪かった~もう一本先のルンゼが正解だったのか?
次の滝はマサとタッキーが登り確保。
しばらく進んですっかり定番となったラーメンシステム。まったりとコーヒー付き。
各自竿も出してそこそこ釣れるがキープせず。
中ノ二俣を右にいくと巨岩帯の先に難場の連瀑帯。
連打された錆びたハーケンでA1。1段上がって出口の滝は右手から巻く。なかなか肝が冷えるところだ。
マサが1ピッチめ灌木までリード。2ピッチめは小さいスラブからやぶに入りトラバって懸垂で沢床に戻る。ルートファインディングが重要な場面だ。
この先はまたゴーロとなり奥の二俣へ。
時間も押してきたので幕場を探す。ちょっと戻りショボイ河原を皆で整地。
勇ちゃん(芸名。)が凄い勢いでイタドリを刈り取りたちまち素敵な幕場に変身。逃げ場はあるものの水すれすれの寝床もあり、一雨くれば…ま、悪いことは考えずで。
寝床はじゃんけんで決める。一等賞は伸!しかし伸の選んだ寝床は…うっしっし、まだまだ場数が足りませんねぃ
タッキーが焚き火を仕切り、絶景のロケーション完成となる。
夜は満天の星空。マサの超絶和牛ミスジステーキ。こらこら!兄弟ゲンカせずおりこうさんに食べましょう。
他もつまみの凄さはさすがに梁山泊なのである。
1年に何度もない山行で、至福のひと時を過ごした。
しこたま酔って寝入る。で、飯豊主脈の朝焼けがまた凄いんだなァ。
17日4時起き7時発。晴れ。
奥の二俣で右か左か少々悩むが、皆の顔色が良くもの足りなさそうなので?右俣に進む。
出合の滝はタッキー先頭でルンゼから中段で沢に入り登る。
しばらく進むとCS滝。これが今日の核心。左岸に怪しげなビナ付き残置ハーケン一つあり。
空身A1でテラスに上がり草付きを灌木めがけて登り、トラバって懸垂で沢に戻る。
ぐらつくハーケンにスリングアブミをかけそっと乗るが心臓に悪い。
テラス上のランニングの潅木までが遠く落ちればセカンド以下も振られてしまう。
テラスは狭くお一人様分のスペースしかとれない。よって自分のザックは自分で荷揚げしてとっとと上に抜けるべし。
7人と人数多いので、スピーディーに行きたい所だが、これは課題。
ラストのナスさん、テンションのかかったあぶみ代用のスリング、ハーケン回収にご苦労かけました。
ここの左岸をA1で。ハーケンぐらぐら~
これが最後の悪場で、あとは問題のないラクな詰め上がり。
草原にとびだせば、ウド子が、♪居眠りしたのねいーつか~と古い歌、フム。良いのです。
そよ風にクサいタオルをなびかせ、自然に皆で腰を下ろし飯豊の主脈を眺めながら「あれが本山じゃね~の?」とか「ドライキウイのイケナイ点」などあ~だこ~だ。
こんな他愛も無いひとときが良いんだな、また。
ちょいとヤブをこぎ、ひょっこり抜けてみればあんれまぁ実はここ、鐘のある二王子岳頂上のすぐ下だったのでした。
たくさんのハイカーが敷物を広げて寛ぐ灼熱の異空間に飛び出し、お疲れ様の握手。
15日、胎内ヒユッテ9時発~楢ノ木沢11時半~二俣幕場2時
16日、7時発~15m滝下8時半~中ノ二俣1時~奥の二俣4時
17日、7時発~CS滝上9時半~二王子岳11時半~駐車場2時
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