春の会津 ミチギノ沢周遊

三岩岳~ミチギノ沢下降~御神楽沢本流~ミチギノ沢左俣右岸尾根~C1760~坪入山~窓明山

2015/5/3-6


メンバー: CLうど子、SLトシ、NASさん、南郷勇、ノブ


お楽しみのGW山行、冬靴を新調し雪山デビューしたばかりのノブを迎えて、さて今年はどこへ行こうか!

仕事の都合で手持ちの日数は予備日を含めても3泊が限度。

スッころんでも大事に至らずいつでもエスケープ可能な易しいルートで人が少なくて楽しめるところであんまり遠くなくて…

丸山岳、奥利根横断、御神楽沢横断…夜な夜な地形図眺めてルートを繋げてみるけれど、どれも日数が足りない…ヤブの出具合も気になる…車の回収…

そうだ!会津行こう!会津会津!


縦走、焚き火、岩魚、山菜、ブナ雪原の全てが楽しめる残雪の会津!


小豆温泉(コマメおんせんじゃあないですよ、トシちゃん)から三岩岳への稜線に登り窓明山方面への最初の鞍部で泊。


テン場からミチギノ沢を下降し、C1200付近にベースを設けて御神楽沢本流出合いまで釣りにピストン。

釣り、焚き火、岩魚の漬け丼でドまったりの宴会日!

ベースからミチギノ沢左俣(ムジナクボ沢)右岸尾根をC1760のピョコまでたどり、坪入山~窓明山~家向山手前のブナ林雪原で最後の夜。

という筋書きです。

頑張れば一泊のルートをあえてわざわざ3泊。

何かあればいつでも窓明山への尾根を伝って逃げられるという気楽さで、天候次第で日程も縮められる。
せっかくだからアクセクせずに目いっぱい会津の春を謳歌しまくり、あまり記録が発表されないマイナーな支尾根をたどってミチギノ沢を周遊しようという算段で残雪の山を堪能して来ました!
今年の会津は10年ぶりの大雪という事だが、ここ数日の真夏並みの暑さでガンガン雪解けが進んでいた。
例年よりも雪が多い割には、いつものGWとは思われないほどにブナをはじめとして樹々の芽吹きが進み、新緑と残雪のコントラストが眩いばかり。

(3日)快晴。


30度に届こうかといううだる暑さの中、三岩岳の稜線を目指す。

4日分の贅沢品を詰め込んだザックが肩に食い込み滝汗のしんどい登高で今日が核心部。
トシちゃんは腿がつってしまったが、ナニ焦るこたないさ!時間はタップリとってある。
思いのほか雪がしまっており快適に歩を進める。
ブナの芽吹きが素晴らしいなぁ!
残雪はタップリだが芽吹き具合は例年の5月下旬ころの感じではなかろうか?ラッキー!

窓明山方面へチョイと下り最初の鞍部で時間は早いが幕とする。

おととしの春縦走した裏越後三山が見えている。
まだ真昼間、ドピーカンのお日様の下、テントの外で大宴会。
NASさんは最近「アヒージョ」を覚えて凝ってるようだ。ご丁寧になんとタコまで入っていました
恐れ入りました
フキノトウの辛子酢味噌あえは春山の定番です!
明日は夕方から天気が崩れ、夜中には前線が通過するようだ。


(4日)曇り時々晴れ。午後は雨がパラつき夕方晴れ、夜中は雨。

テン場から直接ミチギノ沢を下降。

思ったよりも濃い樹々の間を縫って降りる。
ここからミチギノ沢へ下降して行きます。結構樹林が濃くて先が見えません。


地形図上の緩い傾斜を選ぼうとしたつもりだが、思ったよりも樹林が濃く周囲を見渡すことができない。木々の間の歩きやすいところを選んで適当に歩いて行くと自然と沢に出たが、あれまぁ水音が聞こえ滝が出ていて先に進むことが出来ない。

なんとか登れそうな右側の雪壁をアイゼンでステップを切って登り小さな支尾根に乗ったは良いが、少し行くと先が急に落ちている。

ここで地形図を見れば良かったんです、はい。
まぁでも、適当に下れば良いんです。
ここを登らず反対側の支尾根を乗越せば良かった…と分かったのはここを登ったからだ


仕方なく尾根を右側から降りて沢に降りると、沢は雪で繋がっており広大なブナの雪原に出てホッと胸をなでおろした。ま、いっか。
ど~見てもアッチが正解。ははは。
ふぅ。ホッとした~。
振り返ってみると、ここはテン場からもう少し左(西)寄りに下降すれば難なく大雪原に届いたものと思われました。ちょっと右に寄り過ぎてわざわざ急で細い尾根に乗ってしまったようです。
積雪のせいか、このあたりは地形図で見るよりも地形のギャップがありました。
ブナの点在する広大な雪原。誠に素晴らしい!
どこでも泊まれる。着いたよ、御神楽。
ここも、あそこも、どこも無雪期はただの激ヤブ。残雪万歳!


随所に小さな流れがチョロチョロと顔を出し、所々で小さく沢が割れており水には不自由しない。
C1200m付近でミチギノ沢左俣(ムジナクボ沢)をブリッジで渡り、ムジナクボ沢の右岸の雪原にベースを設営した。
春会津の春はいい。うん。


薪を集め、漬け丼用の米を浸し、ビールを冷やし、早速御神楽沢本流出合いまで釣りに出かける。
本流に向かう途中、ふと気づくと勇ちゃんの姿が見えない。
さっきから先頭切ってガンガン急いでたのに…「ありゃ?どこ行った?」


何食わぬ顔で戻ってきた勇ちゃんのザックの天蓋にはほんの少しの間なのにすでにしっかりと岩魚がキープされていて、ビビった私たちは賞賛すべきなのかノノシルべきなのか心底悩んだのでした。
そういえば、梁山泊に入会してまだ日の浅い頃の7月、ミチギノ沢を下降して御神楽沢を詰めたことがあったっけ。
雪景色の今とは全く異なる鬱蒼とした緑の沢。全然違ってるなぁ。
あの時泊まった河原も、通過した淵も今は白い雪の下。
会津は良いねぇ。
雨が少しパラついてきた。
山の神様から今宵の糧を少し頂き、意気揚々とねぐらに戻った。
テン場のすぐ横でも8,9寸の岩魚が喰いついてきたが、一匹だけ頂きあとは流れに返した。
風も少し出てきて寒くなってきた。
焚き火を熾し、米を炊き、手が千切れそうなほどの冷たい水に悲鳴を上げながら岩魚を捌く。


刺身、漬け丼、トシの定番和牛ミスジステーキ、あれやこれや、ビール飲んでワイン飲んで焼酎飲んで大騒ぎ。
ガンガン焚き火やってるうちにお日様が顔を出して晴れてきてしまったよ

勇ちゃんノリノリ、エアーエロ親父絶好調!とてもここには書けないセリフ連発絶叫(うるさいねぇ)

ここには我々以外、誰も人間など居やしない。
盛大な焚き火が燃え上がり、春の御神楽の夜は今日も更けて行った
(5日)薄曇りのち晴れ


夜中に降った雨も未明にはあがったようだ。助かった。
雪の具合はどうだろうか…

有難いことにしっかり締まって安定している。これなら大丈夫、行ける!

状況によっては直接窓明山への尾根をたどるか坪入と窓明のコルを目指そうかと考えていたが、当初の予定通りテン場から支尾根を辿ってC1760のピークを目指すことにする。
尾根の末端は藪が出ていて下向きのブッシュが煩かったので、C1202の沢の出合い付近から支尾根経由で上がった。

地図で目星を付けたこの尾根、実際に歩いてみると急傾斜部分と泊まれそうな緩い部分が交互に現れる快適な尾根だった。

雪繋がってたラッキー!クラックはいっぱいあるよ。


急傾斜部分は結構急だが、幸いなことに雪が安定していたのでアイゼンとピッケルの威力を感じながら楽しく登っていくことが出来る。
ただし、寡雪の年やシャバ雪の時は苦労しそうだ。

ここから眺める景色は、もしかしたらもう二度とは眺めることはないだろう。

会津親善大使行徳支部長を勝手に自認する私はしっかりと瞼の裏に刻みつけました。
無事にC1760ピークに到着。
ここは丸山岳縦走路の途中であり、いわばこの界隈の銀座並木通りなのであり若干人の気配がする。
坪入山へのナイフリッジを下る2人パーティーが見えた。
アチコチに羨ましいトレースが見える。このあたりは自分なりのルートを描くにもってこいの尾根が広がっているのだ。

この山行で唯一懸念していた坪入山へのナイフリッジも、おかげさまで今日は豊富で安定した積雪としっかりしたトレースで何の苦もなくスタスタと歩くことが出来た。ヤブも出ておらず雪の上を歩けた。

坪入山に無事到着、もう何の心配も要らない。

以前、坪入山からこのナイフリッジを眺めた時は寡雪の年で雪はズタズタ、結構悪そうに見えた。

そのためにロープをお守りに持ってきたし、頭の中でシミュレーションもしてきたが出番は無くホッとしました。

個人的には坪入山は無雪期含め3回目。ここは南会津縦走路のJPとも言える主要ポイントでもある。


ここでとっても残念な事象に遭遇。

なんとピークの木に真新しい山名表示板が太いワイヤーで括り付けてあるではないか!
日付は何と本日今日でご丁寧にもイニシャル入り。
丸山岳からの縦走パーティーによるもののようだ。(どうやら丸山岳にも山名表示板を残置したようだ。)

やめてくれよぉ~

腹立たしいというよりも悲しかった。
名札や表札はご自身かご自宅へでも付けて欲しいです。
ここはあなたの山ではありません!ここに元々無いものは要りません!
思い出と思い入れはどうか心の中へ。
ここが坪入山とわからない登山者はここへは来ません。
赤布等の残置も無用に願いたいもの。目印を付けたら回収するのが礼儀。
俗化させないで、いつまでもありのままの本来の裸の姿を残そうではありませんか。

必ず、出来るだけ早く、撤去/回収をお願いしたいものです!


複雑な気持ちを残しながらノンビリと窓明山へのだだっ広い尾根を歩く。

今年は雪が多く、藪はほとんど出ていないし雪は締まっていて大いにラクチンでした。
なんと山頂からの雪庇もまるで出ていなくて、そのまま雪提を辿ることが出来ました。

この山行通して本当に条件に恵まれました。

雪の多い年じゃないと苦労するかも。

さてさて、このまま余裕で下山できる時間ですが、今日は家向山との鞍部のブナ林でわざわざ泊まることにします。

窓明山を振り返る。


濡れた装備を乾かし、相変わらずの昼宴会こんなんで良いんでせうか?(^^;)
良いのよ~
(6日)晴れ。


今日は下山するだけ。歩くだけなら1,2時間もあれば十分のはず。
だけど、この山行唯一の想定外が待ち受けていました。

それはルートミスとかそんなんではないよ

ここは積雪期はトレースが無ければ迷いやすいポイントがあって注意が必要だけど。

コッシー採りには20分程度を見込んでいたけど、なんと2時間余計にかかってしもうた

大の男衆がよってたかって大声あげて、「お助け出せ~!」とか「みんな協力しろっ!」とか、いったい何の騒ぎですかって
窓明けの湯は休業だそうで、燧の湯に汗を流せば、一体何しに来たんだか半分分からなくなりましたです(^^;)

追記、

といってはナンですが
会津の旨いもの色々あるよ!
私の好きなのは「ニシンの山椒漬け」。
他にも良い物ウンとありますねぇ!

お世話になってる私たち、ほんの少しであってもお金を使って、愛する会津がいつまでも変わらず元気でありますように…

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沢登り山岳会 遡行同人 梁山泊 - 山をまるごと楽しむ!

遡行同人 梁山泊は「沢登り」を中心に、山スキー・岩登り・アイスクライミング・雪稜登山など、四季を通じて山をまるごと楽しむ山岳会です。拠点は東京で、安全登山を心がけており焚き火、山菜&きのこに興味がある方、未経験者・初心者も大歓迎です。