悠久の八久和(八久和川~出谷川東俣沢)
しかし、震災からこの方、大きな沢に行っておらず、この1年は山にも行かず、ペンライト振って“ファイバーワイポー”なんて喚いてばかりだった僕は正直自信がなく、2人からの
そのうち、シンちゃんが北の大地に飛んで行ったことをいいことに、この話はフェードアウトさせようと目論んでいたのだが、ノブさんの記憶力はシツコく、意思は固く、
【20日】
朝、お世話になる旅館「朝日屋」さんの門をたたく。前回は、入山地点の八久和ダムまで、この宿の人に車で送ってもらい、遡行後、下山地点の泡滝ダムからバスで宿まで戻り、一泊して帰京した。現在、泡滝ダムからのバスは廃止されており、下山後のアシがネックになる。ダムから宿までおよそ12km。歩きは勘弁してほしい。
朝日屋のお兄さんは、僕の事を覚えてくれていた。泡滝ダムまで車でついて来てくれて、僕らの車を駐車し、そこから八久和ダムまで送ってくれるという。かたじけない!これで、下山後のアシが確保できた。
泡滝ダム駐車場に車を停め、お兄さんの車で、鱒淵林道から八久和峠経由で八久和ダムの車留まで送ってもらう。前回は草ボーボーのため手前までしか入れなかったが、今回はしっかり刈り払いがされている。お兄さんを見送り、遡行準備して、さあ出発だ。
前回は、フタマツ沢渡渉点のかなり前から入渓したが、今回は忠実に踏跡を辿る。ノブさんは、重荷でのアプローチに、かなりお疲れのご様子。初日だしノンビリ行きましょう。踏跡歩きにいい加減飽きてきた頃、渡渉点に到着。赤テープベタ貼りで間違えようがない。しかし、長いねぇ。前回同様、早く水に入れば良かった。ともあれ、八久和に再会できたヨロコビを噛み締めつつ、遡行開始。
清く、重く、幅広の流れは変わっていない。ヘツリ・泳ぎで進んでいく。水量は多くないが、なかなか歩が進まない。ノブさん、いささかウンザリ気味か。やっとのことでカクネ沢出合を少し過ぎた台地に今宵の宿を求めたのは、日没ギリギリだった。前回に比べ、ちょっと距離が伸ばせなかったが、今日はここまで。入渓後から小うるさかったアブの攻撃は大したことがなかったが、羽蟻の大発生で発狂しそうになる。ノブさん渾身の焚火を囲み、ベーコンやらトンテキなどの重い食糧を平らげ、小宴会して就寝。
目を覚ますと、雨がシトシト降っていて、本流の濁りも強い。進めないこともないが、無理して突っ込む度胸も技量もなく、1日停滞を決める。相変わらず蚊がうるさいので、タープの軒下にミニサイズの焚き火を起こし、蚊遣りにする。
しかし、この日も、夜中に蚊の大空襲をうけ、発狂しかけたのだった。
【23日】
昨夜の星空がウソのようにパッとしない天気にガッカリ(泣)。だが、幸いにも水量は落ち着きを見せた。昨夜協議した結果、日程を優先させるため、今日はこの先の、沢を横断している登山道へエスケープし、オツボ峰経由で下山することになっているので、何となく気が抜けた中、出発する。疲れのためか、予定してた時刻には起きらない。ノブさんはまだ爆睡中なので、朝マズメを狙うも不発。昨夜喰いそびれた焼き枯らしを食べ、のんびりモードで出発。
以東岳を臨む。左は以東小屋
【雑感・雑談】
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