巻機 割引沢~ヌクビ沢~三嵓沢右俣

2016/10/15

うど子


今季はお盆を除きほとんどの週末が雨にやられてましたが、今回は違う!

列島は移動高にすっぽりとおおわれて絶好の山日和なり!


この一か月はプライベートでも良いことがなくて心は雨降りだったけど、こっちもやっとこ晴れ間が見えてきた。


ここんとこ念仏のように「秋晴れのスラブ行きたい!天高く青空に突き抜ける開けたスラブに行きたい!」と事あるごとに唱えてきたが、毎週末の雨にやられてきた(泣)

寡雪だというのにせっかくの三連休も雨にやられて会津縦走でお茶を濁した。

今度こそ!と仲間を募るが今週はみんな忙しかったりケガだのなんだの、なんとボッチの計画となりました。


ということは、ちゃんとしたスラブなんて行けないよなぁ(泣)

こんなこともあろうかと、以前より温めていた秋のボッチ用スラブ的ハイキング的でもちょびっと沢的もしかしたらキノコ的計画である、マッキーのヌクビ沢から三嵓沢右俣を詰めることにした。


夜行高速バスを使い、翌朝六日町からバスで清水へ。

どうしても登山口の出発時間が8時くらいになってしまう。


ネットで情報を漁った結果、これだと下手するとこの時期は時間的に厳しいかもしれないというのと、源頭付近にあるCS小滝が曲者であるという事がわかった。

でも天気が味方だ!


まぁ、半分はヘッデン下山か泊まる心積もりでそれなりの装備を背負い(お風呂セットや贅沢品は下に残置、最低限の宴会グッズと幕営具/食料全部/防寒具全部、酒少々を持つ)、翌日はノンビリ下るか、うまくいった場合にはキノコ採りでもして帰りの高速バスまでまったりするという作戦で計画を組んだ。


8時登山口出発。

割引沢コースを行き20分もすると渡渉点。

すぐに吹上の滝が登場、まもなく待望のスラブ地帯が広がるようになる。(肝心なとこ写真撮るの忘れた。よそのネットを見てね!💦)

おお!出ました!


ここに単独の青年ハイカーが居て、「ここはどうやって行くんですか?」なんて聞かれたけれど、どうやってって言われてもただ普通に好きなとこどこでも歩いて行けるんだけど、足元を見るとがっちりとした登山靴。

身なりも装備も完全に一般ルートハイキングスタイルなので深入りせず、「どうだかね?私は沢靴だからどこでも歩けちゃうんだけどね。」と冷たく言い残して立ち去る💦

どうやら撤退した模様。正解と思います。


アイガメの滝あたりまでは完全に普通の登山道なので一般ハイカーでもなんてことないのですが、そこから先は沢靴でないと厳しいのではないかな。


ここらはなかなかの景観だったので、この先どんなスラブが出てくるかと期待を胸に先を急ぐ。

すぐに布干岩といわれるのっぺりしたスラブが現れるが、フリクションバッチリという感じでもなく、当日はフェルトの沢足袋でもなぁんとなく地味に滑る感覚があった。

沢のヌメリ具合なんてその時によって違うから記録を鵜呑みにしない方が良いですね。

これが登山道というのだから笑っちゃう。

(これ立派な登山道です💦)


しかし、アイガメの滝にしろ布干岩にしろネットを見て期待値が高すぎたせいか、実際には思ったよりもずっとスケールが小さくてこのセクションは拍子抜けするほどあっけなく終わってしまった。

意外にゴーロ歩きが多いのです💦💢


割引沢とヌクビ沢の出合いには岩に赤ペンキでルートのマーキングがある。(というか、ルートは赤ペンキでずっと示されている。)

天狗岩が威風堂々、ババ~ンと立派だ。

三嵓沢出合いには9時半過ぎに着いた。
ここに11時までには着きたいと考えていたのでちょっとホッとする。


この出合いは両沢ともに滝で出合っている。
登山ルートはヌクビ沢側に付けられており行者の滝がかかっている。
(ぼやけてるけどヌクビ沢の行者の滝)


三嵓沢からは普通の沢登りとなるので気を引き締めて行く。


三嵓沢に入ると10メートルクラスの滝がいくつかかかっている。
ルートは好みでいかようにも採れるが、単独でもあり、極力水に濡れない一番易しそうな確実なルートを選択して行くことにする。
ヌメリもあるので時には脇のブッシュを引っ張りながら巻き気味に登る。


すぐに二俣、右俣に入る。
(左俣にかかる滝)


この沢の滝はどの滝も易しく登れると思う。
ルート取りもお好み次第。
沢床は浅く両岸はブッシュが迫り安心。
雪国の沢のパターンに慣れていれば難しさは何も無い。
お試し山行とか新人のトレーニングであえてロープを使う練習をするとかに向いている。
雪国の沢入門としてプチスラブ体験、プチ草付体験も出来る。
春のスキーが良さげだ!

そんなことをつらつらと考えながらいくつかの小滝をゼーハー快適に越えて行く。

ちょい濡れの滝もあるけど幸い今日は10月とは思えないほどの温かさ、というか暑いほど。
これじゃあキノコはアカンわねぇ。
時間に余裕が出来たので気持ちのモードを切り替えて、数歩進んでは立ち止まり呼吸を整え紅葉の展望を楽しみながらゆっくりといつものオバサン歩き。
キノコはないかぁ~。

ネットで見たトイ状小滝、ホールド/スタンス共に豊富でごく快適安心。


曲者と言われるCS小滝らしきものが見えた。

パッと見何の威圧感も無い暗い地味な滝だ。
多少ヌメってるもののなんかどう見ても登れそうだし、もしダメでも両側のブッシュを引っ張ってどっちからでも大巻きしなくても絶対に登れると確信した。

これは登れるっしょと試しに取付いてみると、どチビな私でも拍子抜けするほどあっけなく登れてしまった。

(CS落ち口から。滝の写真撮るの忘れました。)


これは良くあるツッパリ系の沢特有の3D登攀なので、沢慣れさえしていれば問題なしと思われました。

ここを越えると源頭部の様相となる。

C1650辺りで登山道が近接するので出来ればそちらに抜けたいと考えていた。
しかし、このあたり本流筋はスッキリしてるけど、そこを外すと背を没する頑固な藪だ。

案の定ハイカーの声や熊鈴が聞こえ、すぐ近くにチラチラと帽子が見えたりする。

藪を良く観察して良さげなところからトラバース開始。
ぽっかりと藪のない崩壊地があった。
ほんの20メートル位なんだけど旨そうな太いネマガリ野郎(季節ならネマガリ様々!)が育っていて中々進まない。(太くてかなり良いヤツです!)
育ったネマガリは好きじゃない。いつか喰ってやるぞ!

素直に上まで詰めた方が労力的には楽で達成感あるかもしれないな。

でも時間的にはこっちが早い。

無事に13時ちょい前に登山道に抜けた。

位置的にはニセ巻きピークを下ったC1750あたりか。
あまりにも唐突な位置なので、下手したら熊と勘違いされて頭をぶったたかれそう(^^;)
(このクマザサの根元から這い出しました。登山道から撮影。)
13時半くらいに下山開始。
ハイカーで混雑しているが、道は歩きやすくてキョロキョロしながらでも駐車場まで一時間もかからず降りることが出来たけどキノコはお留守でした。
(ボケてるけど宴会地より撮影。右のトンガリが天狗岩。天狗岩の下が割引沢とヌクビ沢の出合。)


この沢は内容的には米子沢にはかなわないのと、途中まで登山道が通ってるせいか三嵓沢遡行者は圧倒的に少ないようです。
スラブ登攀の沢という感じではないし、「沢登り」という感じもあまりしませんので沢屋はわざわざ足を向けないかもしれません。
三嵓沢遡行含めても沢登り未満ハイキング以上?
秋のそぞろ歩きには良いと思います。

なので、出発時間が遅かったせいもあり、紅葉のマッキーだというのに沢中では誰にも会わず静かな山を独り占め出来ました、。

(それでも割引/ヌクビのハイキングルートにはそれなりに何パーティーも入渓しているようです。翌日もゾロゾロでしたが皆さん出発が早い。)
アイガメの滝あたりは丹沢や奥多摩には無い景観だし、一般ハイカーが沢床からの視点でこういったスラビーな沢を見られるというのもそうそうないのでハイカーには人気がありそうです。

翌日はウロウロ徘徊したが、何と10月だというのに獲物は皆無!

諦めて「うえだや」さんの朝一番の客となり、その後もう一度さらに徘徊。獲物は皆無!??
(マッキー名物「山菜だらけ蕎麦」と銘酒「高千穂」。朝酒はキクぅ~。)


駅前でバスを降りてお風呂の後は、六日町駅前の我が愛する「ほんだや」さんでまたまたまったり。
(ほんだやさんのモツ炒めと手作り塩辛と銘酒「鶴齢」。手作りのおしんことかイカ刺とかタコ唐とかその他色んなのあるよ。)


千鳥足で六日町ICへ向かい(これが核心だった。)、高速バスの車中でまたまた肝臓をイジメながら帰りました(^^;)

晴れはヨカね~!(^o^)

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沢登り山岳会 遡行同人 梁山泊 - 山をまるごと楽しむ!

遡行同人 梁山泊は「沢登り」を中心に、山スキー・岩登り・アイスクライミング・雪稜登山など、四季を通じて山をまるごと楽しむ山岳会です。拠点は東京で、安全登山を心がけており焚き火、山菜&きのこに興味がある方、未経験者・初心者も大歓迎です。