本名御神楽岳前ヶ岳南壁V字第2スラブ
やたら長くてややこしい山行場所の名称だけど、あっさりと霧来沢右俣奥壁V字第2スラブと言った方が感覚として分かりやすいような気がする。
沢屋にとっては山の名前じゃなくて沢の名前を言われた方が「あぁ会越。只見のあそこ、室谷の裏ね」と言う感じではないかな。
簡単に言うと、霧来沢右俣(カラ沢)を詰めました?(^^;)
今回、水無流域の別の沢に行くつもりだったけど、メンバーの故障、天候で第2案のこちらに転進。
ここは一昨年も登るつもりで現地までは行ったのだ。(モウガケ沢出合いに泊まったよ。)
当日出発時間になっても雨が止まずに諦めた経緯があります。
また、以前6月に雪渓の鞍掛沢を詰めたことがありました。(ウドがすごかったっけ。)
その下山の時に眺めたド迫力のスラブが心に引っかかってたのです。
なにしろ青空に向かって明るく開けた大スラブは開放的でスケールでかくて何度見上げても「スゲ~ッ!」っとド迫力感が半端ないですからね。
晴れてないとイヤッ!紅葉ならもっと良いな!
ここらへんは大変魅力的な山域なんだけど、我々からすればアプローチが核心かと思う程遠いのね。
若い時のように寝ずに出発というのはもう辛すぎるお年頃。
今回は3連休ですが、初日は雨予報ということもありノンビリ起きてキノコ探しの後モウガケ沢出合いにベース設営、中日に登攀、翌日はまたまたキノコ探しながら帰京というお家芸のまったり計画です。
当初一緒に行くはずだったヒロP、なんと直前に膝が壊れて手術と言うことになり無念の不参加。
あせらずしっかり治してね!(代わりにウマいビール飲んできてあげるyo😵)
7日(雨のち霧雨、曇り、小雨)
某所で起きると周囲はゲートボール大会、バドミントン大会、野球大会会場に一変していた。
(なんかこんなこと前もあったよな~💦)
霧来沢沿いの林道は、一昨年前は落ちていた橋も修復されデコボコの道を登山口まで車で入ることが出来た。
つまりアプローチは30分だ!
足が地面にめり込むんじゃないかというほど酒とツマミをどっちゃり背負って行く。
初日は予報よりは天気が良かったのでキノコ探しに出かけたが、今年は気温が高いせいなのか秋のキノコの出がとても悪く、今宵の鍋にやっとという貧果でありました。
ベースとしたモウガケ沢出合いには焚き火の跡が残ってたが、銀紙の燃えかすがそのまま残されていた。誰だ!💢
我々は焚き火にはそもそも銀紙はくべないよ!
アルミ箔は当然ながら裏が銀色のヤツは全てくべない。
燃え残るものはそもそも何もくべるな~っ!そしてちゃんと後始末してね!
8日(小雨のち晴)
いよいよ登攀の日。
7時ちょい前、小雨ぱらつく中を出発。
山はガスに雲っている。
それにしてもブナの大木の良い森だ。
霧来沢本流の碧のナメがとても美しい。
登山道が登りに転ずる前の枝沢から本流に下降する。
実際には地形図よりも手前で道は登ってゆく。
鞍掛沢から数えて2本目の枝沢を下ることにした。
今回は靴を濡らしたくないので、いつもなら何も考えずジャブジャブ歩くところも徹底的にヘツリ倒す。
単調な沢もヘツれば面白い。
思ったよりも沢の遡行は長いが、特に悪いところも無く順調に進んでいた、はずだった。
どこの滝だったか、左のもろい凹角から乗越そうとトライするも、落ち口に今にも落ちそうに岩が引っかかっている。
これに触らずに登るにはリーチが足りず、USANに代わってもらった。
USANがさて登ろうとしたその時、「ラ~ク!」の声。
一抱えほどの硬い岩を落とすまいと受け止めようとしてUSANが手を出し、右手の人差し指と中指の先に裂傷を負ってしまった。
うど子の左の脛にもあたってしまった。
側壁にUSANの血が飛び散っている。
脛に当たった石は割れた(^^;)その石が落ちたところの石も割れてた(^^;)
うど子は骨密度(だけが)自慢だ。
一端降りて処置の後、もう下りようかとの考えも一瞬頭をよぎったが、お互いどうやら続行可能な程度で済んだので決行。
気を取りなおして再度トライ。
最後の滝は頑張れば直登も出来そうだが、左から簡単に巻いた。
何の苦も無くスイスイ巻ける。
そしてこの滝を登ると自動的にスラブに導かれ、始まっちゃう(^^;)いや、始まっちゃった(^^;)
「たいがいスラブってさぁ、遠目で見たり下から見上げるとド迫力でこんなん登れるワケ無いじゃん!って思うんだけどさぁ、近づくとそうでもないしさぁ、実際に登ってみると大したことないってのが多いよねぇ」
などと会話しながら知らぬ間にもう引き返せない壁の中に突入してしまったようだ(^^;)
岩瘤の左を登ったが、ここらへんは全般に脆く傾斜も強い。
ここから小屋まで約一時間のヤブコギ。
後は山の恵みに目を皿にしながら冷えたビールを目指して下るのみ。
今回は一度も水を踏むことの無い沢登り。
私の体内の会越血液濃度がやっと正常値に戻った気がした。
(以下休憩を含めたまったりの行動時間。)
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