霧積温泉アイスクライミング

2017年2月11日
D-Arai師、オベ(記)

【前置き】

1月末(雲竜渓谷)に続き、D-Arai師と二人で、氷瀑登攀に行くことに。
場所は「霧積」。当会の霧積アイスはダムサイトがメイン。今回はこの上流、最奥の温泉エリアで登ろうというもの。霧積のアイスエリアとしてはこっちがメジャーらしい。
因みに、D-Arai師は、温泉エリアはこれで3回目の訪問となる。一回目は、新やん・オベ・D-Arai師の三人でダムサイトに行く筈が、オベ・新やんともに用事でNG。偵察がてら一人で見に行ったらしい。2回目は、解禁間もない時期に、今や音信不通のShinちゃんと「氷と釣りツアー」と銘打って行くも、トップロープ工作のための巻道を登れないShinちゃんに泣きが入り、リードで登ろうにもスクリューが足りず(当時、師はスクリューを三本しか持っていなかった)、泣く泣く諦め、その鬱憤を晴らすべく、下流でヤマメを鬼のように釣ったという。
「前夜温泉入口の駐車場で泊まり、翌日は早朝から行動開始、一番乗りで現場に着いて、たっぷり登るぞ~、オー!」という計画の元に、前夜21時、鼻息荒く岩槻に集合。おなじみロシナンテ号は2400ccの嘶きを上げ、群馬に向けて出発した。


【10日】

横川駅の前を通過し、定宿である麻苧の滝を華麗にスルーして、霧積温泉入口の駐車場へ向かう。心配したほどの積雪はなく、23:30、無事到着。他に車は1台もなく、「1番乗りは確実」とほくそ笑む。「ラム・鰤・ホウレンソウのシャブシャブ」を肴に入山祝い。師による人生講和「私は何故、三遊亭鬼丸のゴゴモンズを聴かなくなったのか」等を拝聴し、26時30分就寝。


【11日】

04:30、尿意で目が覚めると、前に一台の車が止まっており、数名の人影が見えるが、迷わず寝る。06:00頃もう一度目を覚まして外を見ると、その数人が支度をしているのが見て取れた。D-Arai師を起こそうかとも考えたが、この人は永遠に目覚めないのではないのか、と思われるほどに熟睡しているので、自分のシュラフにそっと潜り込み、目を閉じる。
「あっちゃ~、もう7時半だよ」D-Arai師の声で目を覚ます。すでに件のパーティーは出発した後らしい。とりあえず、登攀具一式を現場まで持って行くことにする。長靴姿で現場まで歩くこと5分。先行パーティー三人に軽く挨拶して、そそくさとテントに戻る。
昨日の残りにウドンをぶち込み朝餉とし、食後のコーヒーを楽しむ。ひとまず、道具を現地に置けた安心感からか、かなりマッタリ。そのうちに、別の車が1台止まり、降りてきた二人が現場へと向かって行った。それを横目で見ながらも、準備のスピードが上がらないワシら(笑)。結局、登攀装束に身を包んで出発したのは、9時半でした(笑)。辛うじて、その後に来たガイドのパーティー四人組には抜かれなかったが、前夜泊の効果は半減。
現場に着くと、一番乗りのパーティーから「あんまり来ないから別の場所に行ったと思った」と話しかけられる(汗)。もう1パーティーはカップルのお二人。この2パーティーにより、主だったルートにはトップロープが張られ、残っているのは、一番右のアプローチ用と思われる簡単なルートと、垂直の氷柱の二つである。
問題の氷柱。
ホントはその左の氷を登りたかったのだが・・・

ここで、D-Arai師が「これやっちゃおうか」と氷柱のルートを指さす。もちろん、冗談のつもりだったと思うが、先行パーティーの女性にこれを聞かれ、「わぁぁ、登っているところ見てみたい。」との黄色い声援を賜り、引っこみがつかなくなる。かと言って、初鼻から垂直の氷柱をリードする技術とか意気地とか二人とも持ち合わせていない。Shinちゃんの泣きが入った巻道を登り、トップロープ工作を行い、登攀開始。
まずはD-Arai師。ビレイヤーから見ると、右側が登れそうなのだが、師は左へとルート取りしている。途中の4~5mがどうしても越えられず、数回のトライ後、「もう降ろして」のコール。
次にオベ。オブザベ通り左側を登ろうとするも、実はこっちには水流があり、これに阻まれて上を向けない。びしょ濡れになっただけで「降りる」とコール。すでに腕パンパン。

二人で打ちひしがれていたら、後から来たどこかの山岳会と思しき団体が、場所を譲ってくれという。パーティーの中でも最長老っぽく、もう背が縮み始めていませんか?といった風の男性が、リードの準備をして佇んでいる。登れない場所を占有しても意味がないので、すぐに譲ることにし、D-Arai師がロープの位置変更の為、また巻道を登って行き、垂れていたザイルを引き上げた。長老は、D-Arai師が登れなかった氷柱左側を、スルスルスルと、それこそいとも簡単にリードで登り、途中片手でスクリューを三か所決め、あっけなく終了点に到着。この間、何の力みもない。思わず魅入ってしまった。
ザイルをセットし直していたD-Arai師、登ってきた長老に「おじさん上手だねぇ、大したもんだ」と声をかけたそうだが、
・アイスクライミング歴は45年
・氷柱はモノポイントアイゼンでないと氷柱は登れないよ
・あと、不必要に氷を壊してはいけない
等、色々とご意見をいただいたらしい。パーティーの話しぶりからして、どうもその会の会長みたい。
二人でひととおり恐縮したところで、新しいルートをトップロープで登ることにする。
まずはD-Arai師。核心は、上部の氷がつながっていない部分らしく、そこを抜けるのにかなり手古摺っていたが、気合で完登。さすがである。
次にオベ。思ったよりも傾斜が強く、核心部前でパンプしきってしまい、終了(泣)。ロワーダウン中、師より「意気地がないねぇ」のお言葉を賜る(号泣)。
ここから先が、歯が立たぬ(泣) 打ちひしがれるオベ二態

次に再びD-Arai師。ところが、氷柱の登りが効いてきたのか、いきなり疲労感に襲われたらしく、核心部を越える前で終了。次に再びオベが挑戦するも、パンプが戻らず、アックスを氷に刺したままテンション。これを回収するのに力を使い果たして終了。この後、交互に2~3回トライしたが、結局完登できず仕舞であった。
最後に、アプローチ用の場所でツルベの真似事をし、懸垂で降り、15:00に本日の行動終了。駐車場に戻り、テントを撤収し、峠の湯で汗を流し、前回に引き続き空いている関越道と北関東道を走り抜け、19時半にD-Arai邸到着、解散となった。
簡単な氷壁でお茶を濁す


【総括】
1.好天が災いし、人出がスゴかった。温泉付近の登れそうな場所には、全部人が入っていた。前夜発でなかったら、どこも登れなかったかも。
2.前夜発で鼻息荒く来た割には、一番乗りできず。もうちょっと早く起きましょうね。多分できないけどね(笑)
3.食糧計画は今回もちょうどよかった。ラムと鰤のハイブリット出汁うどんは思わぬ旨さでした。
4.完登は一本もできなかったが、3~4本目あたりから、勘が戻ってきというか、身体を振ることを忘れていることに気付いた。
う~ん…今シーズン、リベンジにもう1~2回、行きたいのぉ…

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沢登り山岳会 遡行同人 梁山泊 - 山をまるごと楽しむ!

遡行同人 梁山泊は「沢登り」を中心に、山スキー・岩登り・アイスクライミング・雪稜登山など、四季を通じて山をまるごと楽しむ山岳会です。拠点は東京で、安全登山を心がけており焚き火、山菜&きのこに興味がある方、未経験者・初心者も大歓迎です。