長釣尾根~日白山~地王堂川~二居

2017/2/25-26


うど子

日白山はお手軽に絶景が楽しめるので毎年のようにお世話になっている。

先週はタカマタギ方面で雪洞を掘った。
けれど残念ながら天気がイマイチで風景が楽しめなかったのが心残りだった。

毎日山の気象を追っているが、直前になって「晴れ間」が出るという予報が入った!

金曜夜に急遽準備を整え出かけることにしました~。

今日は電車。

土樽駅から登山口までの車道は除雪跡が凍り付いていて先週よりも慎重に歩いた。
これだと勇ちゃんのロシナンテ号はもしかしたらヤバかったかもしれません(^^;)

毛渡沢橋9時頃出発。登山口からトレースばっちり!

先週は我々が先頭だったので終始まあまあのラッセルだったけど、シメシメ今週はお気楽に歩けそう!
毛渡沢林道、つまり長釣尾根方面への林道分岐地点、ヤッタ~!1パ程度の踏み跡ではあるがトレースがついている!
今回、ずるい話ですが一人なので、トレースが無ければ長釣尾根は諦めてタカマタギ方面から回ろうと思ってたんです(^^;)
今季はここんとこ周期的に寒気が入り、ドカンドカンとまとまった降雪がありますからね。
なお、タカマタギ方面へは大人数が入っていると見え、たいそう立派なトレースがついていました。
タカマタギも最近はすっかりメジャーな山に変貌したようです。

天気は曇ったり降ったり晴れ間が覗こうとしたりという、「なるほどね」という感じでした。


今週は有難くトレースをたどらせて頂くことにする。

おかげ様で本当にトレースというのは有難いものです。ありがとうございます!

天気が良くてトレースがあればこれはもうハイキング🎵天と地ほどの違いがありますからね。

これでこの山行はバッチリお気楽に楽しめるなぁ!

これからちゃんと晴れて青空の下、純白面ツルの豪華な山々の展望も欲しいままになるに違いない!

と、この時は思っていました💦

林道途中の沢を通過する箇所


群大ヒュッテ手前の堰堤、小松沢の出合いに着いた。
さてと、ここが長釣尾根の取り付きのはずだが。。
先行パーティーの後ろ姿が小さく見えた。
ここまでのお礼を言わなくては!…ここから一緒にラッセルかな?


おかしいな、ここが取り付きのはずだがトレースはここで途絶え、先行パーティーは仙ノ倉方面へ行ってしまった!
実は内心もしかしたらこのトレース主様は仙ノ倉北尾根とか行っちゃったりしてね(^^;)なんてチラリと思っていたんだけど、まさか本当になるとはね💦


いきなり感ありの唐突な取り付き。仕方なく松の木の枝を引っ張って急な取り付きを上がる。
しばらく小松沢を進んでから取付くべきかと偵察に行くが、ラッセルがシンドイので引き返して直に上がった。
長釣尾根取り付き上から小松沢を眺めたところ


少しの間は平坦な林の中をコンパスを振って行くが、「もしかしたら違うところから先行パーティーが上がって来るかな?来てほしいな!」なんてまだ諦められないしょうもないワシ。
尾根の末端は見上げるような急斜面だった。
胸まで、頭までのラッセルでなかなか進まず、これが続くようなら一人ではとても無理なので戻ろうと思った。
しかし、ほんの数メートル進んだところで次の足が固い層に触れ、恐る恐る体重を掛けるとしっかり立ち上がることが出来た。
まさかと思い次の足も出してみるとやはり膝下くらいのところに固い雪の層があり、格段と楽に歩けるようになった。
よし、もう少し行けるところまで行ってみよう!
今思えばこれが無ければとっとと諦めて戻ってお気楽にしていたはずなのに何ということでしょう(^^;)


尾根に上がり切ると緩やかなブナと楢の尾根が延々と続いていた。
やはり真っ新な雪面でトレースは無かった(^^;)

どうやら2,3日前の気温が上がった日に一旦融けた雪が氷結しているようだ。

その上に新雪が載っている。
しかし、雪の状態は一様ではなく固い層があるかと思えば次の一歩からはいきなり股までという感じで安心して踏み出せない。
斜面が急なところは胸までとなり先が思いやられる。
トータルすると膝くらいなのだが上越の重い雪は二度踏み三度踏みしないと体重を支えてくれず体力を持って行かれる。
C1250くらいで南からの支尾根を迎えるが、その手前から斜面が急になってくる。
急斜面を股から腹で頑張っているといきなり雪の下が固くなりワカンのキックが入らなくなった。
ピッケルのブレードでガシャガシャとワカンの足場を切って一歩一歩上がる。
あらかじめピッケルを出しておいて助かった。

尾根の合流点付近は見上げると手前に雪が張り出していて雪壁に近くなっていたので、南からの支尾根側から回り込んで行くことにする。

ここは雪が深く胸まで。

尾根が合流すると急な雪庇の細い片斜面となる。

雪が深いのだが下に固い層があり、ワカンの刃がすべってしまい恐ろしい。
更に、いきなりワカンの入らない固い雪になったりしてキモを冷やす。危ない危ない(^^;)
右側が急斜面で谷に落ちており、左側は雪庇。
ワカンでは片斜面が歩きずらくなるべく左に寄りたいが、雪庇の張り出し加減が目視出来ないので「どうか踏み抜きませんように」とビビりながら慎重に行く。
一歩を出すのに気が進まず嫌になりました。
雪庇の急斜面を抜けるとお日様がちょっとだけ顔を覗かせた
急斜面登り切ったところから振り返る。中央やや左から上がってきた。結構雪庇ギリギリを歩いてきたね(^^;)
斜面が緩んだ。この先から大テン場適地!


このあたり、春になってもう少し雪が締まって落ち着けばなんつうこともないところだと思う。
また予め分かっていれば下でアイゼンに換装しておけばより安全だったと思ったが後の祭り。

もう嫌だ!と思った頃にうまいこと傾斜が緩み、絶好のテン場適地が現れた。

16時頃?到着。
重いザックをドサリと降ろす。この瞬間が好きだ。
C1340にテントを張る。
雪は止みつかの間の晴れ間も覗いたが、相変わらず周囲の山々のガスは取れず仙ノ倉も平標も何も見えない。
夕方ヘリが来て周囲を旋回していた。
どうやら平標方面のようだ。
無事を祈るが他人事ではないとほんとに思った。
こんなんで明日ちゃんと帰れるのだろうか?
何しろ時間が全く読めない。

深夜からまた雪が降り出したようだ。

朝起きると新たに20センチほど増えていたが、もうこれ以上雪を増やさないでください神様と心底お願いしました(笑)
昨日の教訓があったので、今日は最初からアイゼンわかんで行くことにします。
アイゼンといっても今回はナメた装備で8本の軽アイゼンです(^^;)

6:30頃小雪降る中の出発。

はじめは視界もあまりなく、どんよりオヨヨでありましたがすぐに視界が出てきた。

地図を見るとこの先のジャンクション手前がやや急となっており、もしかしたらまた感じ悪い斜面なのではないかと危惧しながら歩いて行く。

相変わらずのラッセルでシンドイはシンドイが、心配したほどのことは何も無く易しいブナの雪原が続いていました。
傾斜の無いところの方が足を抜くのが疲れます。
もし晴れていればとても美しいに違いありません。
写真に見えている一番高いところが二居俣ノ頭からの尾根とのジャンクションピーク
ジャンクションの合流点は見上げる高さの斜面でしたが、雪庇が張り出してるのかそれとも無いのか、視界が今一つ効かないのでピッケルを出して行くことにします。
登ってみるとあっけなく全然大丈夫でした。
ジャンクションへの乗越


そこから日白山ピークまでは指呼の間で10時ちょい前に到着。
良かった、本当にホッとしました。
あれほど楽しみにしていた展望は何にも見えず、ピークには馴染のブッシュちゃんが一本ちゃんと立っていました(^^;)

我が来たりし道を振り返り、どこまでも続く一本のラッセル痕だけがご褒美です。

良く頑張りました。(自己満足。)
視界の無い日白山ピーク


雪は降り続いており視界も無いので、地王堂川ルートから二居に下りました。
二居俣ノ頭手前のコルからやや急な斜面を下りますが、ここからはスキーのトレースがあり、おかげ様でルーファイが助かりました。
やはりトレースは大変に有難いです。

ぼんやり大休止したりと心の荷を降ろし、初めての風景を楽しみながらノ~ンビリ下って13時頃宿場の湯♨

あぁ、旨い!やっぱり生だよビールだよ🎵おかわりおかわりぃ🍺


今回は景色を見る目的でお気楽な山行のはずでしたが、人様のトレースを拝借しようというヨコシマな考えを神様はやっぱり許してくださいませんでした。
ただの一度も純白面ツルの絶景は拝めず😠
世の中そんなに甘くありませんね。


なお、長釣尾根は雪の深い時期に一人で登りにつかうとラッセルが結構大変だと思いました。(タカマタギより人がずっと少なくてトレースほぼ期待出来ない!林道も長い💦)

運良く天気が良くてラッセルが無ければお気楽ホイホイハイキング🎵(厳冬期にはそんなこと滅多になさそう。)


厳冬期に登りで使うならパーティーで行くか、もしくは春に雪が締まってから行けばノンビリお気楽に楽しめる易しい尾根だと思います。

日白山だけなら東谷山経由が一番お気楽で短いけど人は多い。

晴れた日を選べば360度のものすごい絶景に出逢えるに違いありません!

また行くでぇ🎵

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沢登り山岳会 遡行同人 梁山泊 - 山をまるごと楽しむ!

遡行同人 梁山泊は「沢登り」を中心に、山スキー・岩登り・アイスクライミング・雪稜登山など、四季を通じて山をまるごと楽しむ山岳会です。拠点は東京で、安全登山を心がけており焚き火、山菜&きのこに興味がある方、未経験者・初心者も大歓迎です。