棒立山~タカマタギ~日白山~東谷山~二居
2018/3/3-4
うど子
先々週は大荒れ情報出る中、棒立山のかなり手前の麓で雪山体験トレを行いました。
稜線には出ず麓だったのでさほどの荒れではありませんでしたが、楽しいばかりではない山の顔の厳しい一面を知ってもらい、山は決して人間の都合には合わせてくれないことをわかってもらえるのなら行く意味もあるかなと感じてあえて行きました。
それ相応の技量無くして足を踏み入れることは無謀なことです。
C850に泊り、その先の斜面では一晩に積もった新雪だけでも背丈以上あり、身長以上の深いラッセル痕を刻みました…
一週おいて、週末手前の木曜にはちょうど春の嵐が訪れ気温が上がり、しかも土日は晴れマーク。
この嵐はきっと雪を落ち着かせてくれてるに違いない!
絶好のチャンス到来と凝りもせず同じ山域へ。
ただ、タカマタギは最近かなりメジャーなので、この絶好のチャンスに人がワンサカ訪れて賑やかすぎるのではないかと懸念し、白板山経由や天丸木山~平標ルートも検討したものの、結局は絶景見たさに棒立山~タカマタギに決定。ミーハー決定!(笑)
お気に入りの定番、二居の「宿場の湯」に直行してビールを飲むためのお気楽観光山行(^^;)
毛渡沢出合いの駐車スペースにはすでに何台も車が泊まっており、「やっぱりなぁ」
と安堵と落胆を混ぜたような気分になりました。
毛渡沢林道との分岐を過ぎるとトレースはぐっと減り、新しい足跡はお一人?
意外や意外、こっち方面の方が今回は人が少ないようです。
先々週は股まで腹までの重いラッセルに苦しんだ道も今日はトレースを有難くお借りして快適そのもの。
そもそも先日の嵐と融雪でさほど沈みません。
おかげさまで尾根末端まで駅から40分で到着できました。
トレースありがとうございました。
先行者様は尾根手前沢側から急登で登られてましたが、私はいつもの通り末端から真っすぐ上がることにしました。
先々週のラッセル痕も幕営跡もウソのようにキレイさっぱり何も無く、目がテンです。
あれだけブワブワと雪が深かったのが信じられないくらい雪が締まっていました!
深くてもせいぜい膝で、すっかり春の雪です。
前回の幕営地点には10時に着いてしまいました。
本当に驚きました!
自然の力は私の想像をはるかに超えています。
暑くて暑くてたまりません。
水飲み休憩日焼け止め塗り塗り休憩が増えます。
これ以上脱げん!っちゅうくらい脱ぎまくります。
今回は上下沢用のペラペラ合羽、ツェルト、夏シュラ、ダウン上下ナシ、ゴーグル無しの春仕様です。
夜は結構寒かったyo(^^;)
後で日白山からの登山者に伺った話では麓の車中泊でも-10度だったそうです。
その代わり?真面目にちゃんとした12本アイゼン、ピッケル、ワカンを持ってきました。
ビールその他の酒に加え、ちゃんと缶チューハイ(度数9度)も忘れてません!(暑いからね!)
夕焼けを見ながらビールや缶チューハイが飲めると思うとウレピ~!!楽しみ~!
これさえ無ければひょっとしたらもう少し早く歩けるのだろ~か??(いや無理。)
そこそこ雪が締まってますが、ツボ足では時々踏み抜くのでワカン装着。
締まってたり潜ったり硬かったりのまだら雪状態ですが概ね春の締まり雪です。
念の為急登手前でアイゼンワカンに換装しました。
所々先行者様のトレースをありがたく拝借しながらC1040の雪庇尾根に到着。
予想ではここらのアチコチで雪洞が掘られてると思ったんですが跡形も何も無く静かなものでした。
今年は雪が少なく雪庇の発達もさほどでもないようでした。
C1040の尾根手前。写真よりも傾斜は急。雪庇の張り出しが少ない。
棒立山はピークに乗る直前数メートルがまともに急。
途中でアイゼンに換装してありましたが、ほんの数歩ですが雪が非常に硬く、アイゼンのツァッケとピッケルのピックの先っぽがやっとかかる程度で慎重に体重をかけました。
まともなアイゼンとピッケル持ってきて良かった~!
どうやら一番急なところを真っ直ぐ登ってしまったようです。
ここはもう少し巻き気味に登った方が良かったかもしれません。
3月は雪質が目まぐるしく変化するので、ほんの数歩が雪質によっては要警戒です。
メンバーによっては下手したら確保も要るかもしれません。
クレバスが新雪で埋まっているがトレースはギワギワ!新たな亀裂も。
棒立山からのタカマタギ。鞍部に泊まった。
今回は1泊で行程には余裕があるので、初日は棒立山さえ越えてしまえばいつでも泊まっちゃおうと思っていました。
まだ昼だしちょっと時間は早いけど、棒立山を越えた鞍部に家を立てました。
キャッホ~!
これが楽しみでやってまいりました~!
超絶景パノラマに囲まれ、時間の余裕もあるしなんと贅沢なことでしょう!
Coo~!ビール旨いっ!最高!
テン場からの眺め。携帯のピンボケ写真だけど実際には絶景のパノラマ!
ルンルンと支度をしていると、タカマタギ方面から元気な青年がお一人下って来られました。
平標からとのこと。お元気ですね~!
とても気持ちの良い楽しい方で、「いっつもこんなことばっかりやってんすか!」と言われて思わず笑ってしまいましたが(何でわかるの??)、あとからこのセリフが頭の中を何回も繰り返し回り、「そうだよなぁ、もういいトシなんだからいい加減にしないとなぁ」と、いたく反省してしまうのでした(^^;)
翌朝、美しいモルゲンに照らされる山々に魅せられながら雪庇斜面をタカマタギへと辿ります。
早朝。テン場から棒立山を振り返る。
タカマタギへの途中でまた振り返る。
頭の中で思い描いていた通りの美しい山々。いや、それ以上。近くて佳き山です。
朝日がうねる雪庇に明暗を描き素晴らしい。
見上げればタカマタギは真っ青な空に小さな朝の月を浮かべていました。
トシちゃんにも見せてあげたいな~。
タカマタギ直下は雪庇に近いトレースを離れ、確実性をとって十分内側から登りました。
先行者様のトレースは各小ピークを律儀に辿られていましたが、小心者で穴にハマりやすくかつ疲れやすい私は雪庇からは距離を置きなるべく樹林をトラバっていくことにします。(クラック恐怖症です。)
タカマタギから白板山方面を見やると、やはりトレースはありませんでした。
このルート、嵐の後のナイフリッジがヤバそうで検討はしたもののパスしたのでした。
タカマタギから日白山まではいくつかの小ピークを越えて行きます。
雪庇あり大雪原ありの伸びやかな稜線はテン場には事欠きません。
だんだんと日白山に近づいて行く感じが良いですね~!
日白山ではいつものブッシュが迎えてくれました。
このブッシュ、何年たっても大きく育つ気配がありません(笑)
なんだか他人とは思えない(^^;)
ピークから東谷山経由で風呂に下ります。
もう足跡ベタベタ。
すっかりメジャーになった日白山は後から後から行列で逆ルートの私は全員にご挨拶💦
もう静かな山ではなくなりました…
どっか別の良い山見つけなくては。
待っていても登りの行列が途切れずトレースも使えないので仕方なく樹林の中を股まで埋まりながら下っていると、行列で登ってきたオッチャンが「なんでそんなとこ下ってるのォ?藪が好きなのォ?物好きだねぇ。トレーニングぅ?アハハ。」なんて言います。
あのなぁ。ゴルァァ~!ぶっ飛ばしたろ~かぁ~💢
積雪量の目安になる東屋の雪はこんな感じ。
いつもなら3月上旬なら屋根位まであるし、雪の多い年はもっとだ。
1m以上少ない?
下山してお待ちかねの宿場の湯、「コンニチワ~」と元気よく扉を開けようとしてふと張り紙を見ると、「食堂閉鎖」の文字が…
ガッビ~ン😠😠😠
冬の土日しかお客さんが来ないので儲からないそうです。
え~ん。
「ゴメンね~」というおかみさん。
私はおかみさんのファンだしせっかくなのでお風呂だけ頂き、慌てて苗場に向かい、ビールを飲んで、季節運行の苗場からの高速バスで帰宅しました。
苗場は喧騒😞
これだと今後は長釣尾根下山が良いかな。。
またお店やってくれないかなぁ(泣)
先々週は冬山だったのに、今回は嘘のようにいきなり春山に変わっていました。
今季は山の積雪量も少なく賞味期限は短いかもしれません。
急がないともう春が来ていますよ~!
風呂屋の庭にフキノトウが一つ顔を出してました。
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