会津 袖沢 御神楽沢

 <小豆温泉-三岩岳登山道-ミチギノ沢-袖沢御神楽沢-会津駒ヶ岳>  

 2000.9.15-17      

 メンバ- Y田、T岡、みど、T田、うど子


以前からあこがれていた会津御神楽沢。

今回は会津側から三岩岳登山道をへてミチギノ沢を下降し御神楽沢本流に入渓、会津駒ヶ岳で下の沢パ-テイ-と集中する計画である。

当日は、快晴。なんとか台風が離れてくれたものの多少天候の心配をしつつの山行となった。 いつものように前夜祭を済ませ明るくなる頃就寝し 、それでも8時半には三岩岳登山口より入山 開始。

車は下の沢パ-テイ-の御協力により駒ヶ岳登山口に回していただく。  


三岩岳登山道は急登と聞いており覚悟はしていたのだが、しかも当日は真夏のような炎天下。

私はこの一週間腹を下していて、入山早々に急登の始まる前に歩き始めて5分で体調が悪くなってしまった。

何かいつもと違う大変なバテ方。パ-テイ-の皆さんにはこのあと最後までご迷惑をお掛けすることとなり、申し訳ありませんでした。  

三岩岳の避難小屋に喘ぎながら到着したのは皆から遅れて12:20だった。

小屋では翌日ミチギノ沢を下降するという釣り師や、他の登山者も数組みられた。

小屋の前には水場があり、建物も立派でとてもきれいである。釣り師と言葉を交わしながら一本を取る。


13:30避難小屋をあとにし、適当な鞍部よりミチギノ沢下降を始めた。

藪と言ってもかなり踏まれていて、とても歩きやすい。

すぐに水が出始める。どんどん水が集まりだし、沢を形成していくのが分かる。

沢幅が少し広がったところで水浴び休憩とする。あ--、やっぱり水のある沢がよい--!と、登山道はぐるじい。

ふと、上を見上げると真っ青な空が見える。ブナがそよぎ、鳥が鳴く。水が輝く。

一本のあと、単調なゴ-ロに小滝といった感じのミチギノ沢を二俣めざしてひたすら下っていく。  


16時頃、二俣手前の右岸に良いテン場を発見。

若くて元気なみどちゃんが異常なくらいに焚き火に執念を燃やし、マキをバリバリ切っている。

みどちゃんの師匠であるT岡さんはサオを手におかずの調達兼偵察へ。

時間のない中みごとおかずをゲットし、弟子のみどちゃんに待望の塩焼きをプレゼント。

焚き火を囲み至福の時を過ごす。  


翌日は8時に出発。次第に美しいカマや、小規模な廊下も現れ出す。

一カ所右岸より懸垂で下ったが、ちょっと難しめの所には必ず顕著な巻き道がついている。

あらぁ、やはり有名な沢なのですね。

途中、下から上がってくる釣り師軍団に会う。他にもパ-テイが入っているそうな。

どうやら沢には予想より人が入っているようだ 。 


沢はだんだんと開けてきて、本流出合のにおいがし始める。

右岸に有名なブナの大木を発見し、ワクワクしながら進むと本当に御神楽の出合である。

御神楽は明るく開け、大昔からず-っと絶え間なく流れ続けてきた本流の水は太い。  


御神楽沢は、その昔宗教登山が盛んだった頃、修験者達がみそぎをして登ったところだという説がある。

ミチギは禊ぎで身を清める意、彼らによって神仏が山頂に祀られたという。

御神楽とは神に捧げる舞楽のこと。

また、マタギたちの活躍の場でもあった。

会津の山々は、古くから人との関わりをつないできた。

山の神様がにっこりと見守ってきた山域でははないだろうか。  


あこがれの御神楽沢の水を本流側からコップにすくい、自分の体に、入れた。

この水と同じ水は、もう二度と飲めない。感動の水。一口のうれしい水。  

御神楽は私の体の一部分となった!


ずっとここにいたい気分だが、本日のテン場予定地であるムジナクボまではまだ距離がある。

小滝をいくつかかわしつつゴ-ロを行くと、楽しみにしていた例の岩畳に出会う。

想像していたよりは小規模であったが、布団を干したくなるような(私は主婦だ。)堅いお豆腐を2丁並べたような不思議な造形である。

せっかくなので、ちょっと早めだが冷やしラ-メンの昼食とする。

T田さんが生コンブの千切りを提供して下さり、みんなで適当に味付けしたらうまかった。

みどちゃんは上の釜でたくましい背中をさらしてシャツの洗濯をしている。この寒いのに。  


さて、相変わらずバテながらも核心部と言われる大滝に到着。

大きく広がる水量豊かな2段の美しい滝だ。一段目は左岸から自然と登れる。

とても右岸に移れるような水量ではない。

二段目は右壁を途中まで登ると上から残置のテ-プが下がっている。

テ-プにつかまるちょっと前の数歩右上が、ややザックを後ろに引かれる感じがするものの、ホ-ルドはがっちりしていて快適。Y田さんが念のためお助けを出して下さった。  


なおも美しい釜やナメを越え、登ったり巻いたりへつったりしていく。巻き道はどこも顕著である。途中、沢に埋まっていた倒木の太さは尋常ではなかった。

やっとムジナクボ下の10メ-トル直瀑である。この釜でT岡さんがオカズを一本つり上げる。

ずっと使い古してきたクルクルのハリスにデカいチヌ針(笑)


左のルンゼ状から巻き下降すると、他のパ-テイがすでにテン場を用意し、イワナを数本焼いていた。尺まじりである。

挨拶を交わし少し進むとムジナクボ出合わずか上流の右岸に絶好のテン場を発見。

きちんと整地され、ゴミも無い。

しかし、ほっとしてテン場の準備をしている最中にとうとう空が鳴き始めた。

風も強まり嵐の前兆かという雰囲気に気持ちが沈みがちになる。

せっかくマキを集めたが、焚き火を中止し、タ-プの人となる。

T岡さんがラジオで天気をチェックして下さる。

私は嵐の心配と持病の腰痛で明日への不安を抱えながらも、あいかわらずの豪華な宴会が始まるとそんなことは忘れてしまったようだ。


翌日、心配していた台風の直撃も免れ、7時にテン場を出発。

さすがの御神楽も水は細くなり、源頭の近さをうかがわせる。

私は今日も不調で皆さんに迷惑をかける。

ナメ状小滝が連続し、中門からの支流を分けるとまもなく電光型の滝となり、カンテ状から越え る。ややぬめってはいるが、ホ-ルドはしっかりしていて快適。

あとは、数本枝沢が細かく入ってくるので地図とのにらめっこをしながらうまくル-トをひろってひたすら登って行くのみだ。

最後は駒ヶ岳から中門へのびる登山道めざして右の藪に突入!と思いきや、ここもかなり踏まれていて藪は薄い。

まもなく藪が切れ、抜けた!

急に視界が広がり、ほっとすると同時に、なんとかここまで導いて下さった 皆さんへの感謝の気持ちで一杯になる。皆様本当に御世話をかけました。反省。

もっと体力トレーニングをしようと心に誓った。


10:15駒ヶ岳山頂を踏み、避難小屋で下の沢パ-テイ-と合流し、無事集中を果たす!!

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沢登り山岳会 遡行同人 梁山泊 - 山をまるごと楽しむ!

遡行同人 梁山泊は「沢登り」を中心に、山スキー・岩登り・アイスクライミング・雪稜登山など、四季を通じて山をまるごと楽しむ山岳会です。拠点は東京で、安全登山を心がけており焚き火、山菜&きのこに興味がある方、未経験者・初心者も大歓迎です。