奥秩父 入川 大荒川谷

 2001.8.3-4

メンバー Lうど子、K西  


お盆に長い休みのとれない者どうし、命の洗濯をしに秩父の沢へでかけた。

前夜は広瀬ダム近くの「道の駅みとみ」の駐車場で仮眠する。

今回は、K西さんが車に載せてきて下さったカッコ良いオフロードバイクを「みとみ」にデポし、車で雁坂トンネル経由川又へ向かう。

遡行後は雁坂峠から「道の駅みとみ」に下山し、K西さんがバイクで再びトンネル経由で川又まで車を回収しに行って下さるという、全く以て私にとっては畏れ多くも至れり尽くせりお大臣お姫様作戦である。

申し訳ないやらありがたいやら!


早朝、入川軌道跡を歩き始める。

この道は渓谷沿いに緑のトンネルの続くとても気分の良い水平道である。

赤沢谷出合からは柳小屋方面への登山道をたどる。

この道も自然林につつまれたすばらしい道で、アプローチの長さも苦にならない。

いつかは十文字峠までつなげて歩きたいと思う。  


さて、大荒川谷の出合へと降りる地点には特に看板のようなものはなかったと記憶するが、谷へ降りる踏み跡がある。

急な踏み跡を下降中、何匹ものハチにまとわりつかれ5,6カ所も刺されながら文字通り転げ落ちるように出合まで逃げ下った。  

大荒川谷に入るとすぐに3mほどの小滝が現れる。ところが、意外にツルツルでホールドが見つからず、直登するにはかなりの気合いが必要そうである。

ということで、さっそく右壁より小さく巻こうとするが、急なスラブの上にドロがたまりズルズルと滑ってしまう。

今回、私達は「釣り師が多くて必ずはっきりした巻き道あり。」という情報を頭から信じ込んでいたので全くのお気楽モードである。

それじゃあ、ともう少し下流より巻き始めるが、踏み跡探しゲームになってしまう。

というよりも、どこでも歩けてしまうので、何もかも踏み跡に見えてしまい右往左往である。

結局は懸垂で降りる始末である。

最初から大幅なタイムロスをしてしまった。

楽をしようとして主体性がなかったのが敗因である。ああ反省。  


やっと巻き終えた地点には右岸から倒木の引っかかった枝沢が入っていた。

かなりのタイムロスで気落ちするが、今日は小荒川谷出合付近まで進めば良いさと、気分を新たに遡行を開始する。

すぐに釜をもつ小さな落ち込みが現れるが、ここも右岸から小さく巻かされる。(気合いを入れればもしかしたら直登できるかもしれない。)

足元が崩れやすいので無理をせず懸垂で降りる。(残置スリング数カ所にあり。)

こんなはずでは...という思いがしてくる。  

その後は何事もなく快調に遡っていくとすぐにゴンザの滝が出現。

水量の多い豪快な滝で、明らかに直登は無理。右壁を小さく簡単に巻くことが出来る。

上から見ると落ち口はツルツルで迫力があった。  


ほどなくゴルジュが始まる。水に浸かって進んでいくとツルツルの大岩に阻まれたが、先行のK西さんは「何とか行けそう。」と手招きをするではないか。

いっ、いやし山行のつもりだったのですが...そこで今回、なぜだかリーダー(当然名ばかり!)を名乗っている私が「巻きましょう。」と威厳をもって宣言。

これが今回の山行で私がリーダーとして働いた唯一の仕事である。

未練たっぷりのK西さん(^^;)ごめんなさい!


お気楽な巻き道に入る。自然と沢床まで導かれる明瞭な踏み跡がある。

ゴンザの滝の手前あたりからこの辺までは、あるガイドブックの案内とは実際の渓相はかなり異なっているが、何かの手違いによるミスではないだろうか?  

まぁ、ガイドブックの鵜呑みは自分が悪い。

ガイド本見て沢に行く自分を早く脱しなければね。


やがて右岸より小荒川谷が5m滝となって入ってくる。この付近には良いテン場がいくつかあったが、我々は小荒川谷出合いの小滝を上がってすぐのところにテン場を設営。

3時前からすっかり焚き火の前で落ち着いてしまう。

明るく日も射し、流木も多い絶好の場所であった。

「今日はタコのチャンジャを使って、ツマミにもなるちょっと変わった美味しいヤキソバをつくります!」と言っていたK西さんだが、肝心のヤキソバを忘れたそうで。

毎日仕事でずいぶんお疲れのようです。  

なんと!そういう私も油とメインを忘れた~!

ショボイつまみでの宴会もまた良し(^^;)

K西さんは当会では唯一お酒を飲まない。

飲まないが必ず缶ビールを一缶持ってきてくださり、乾杯に一口だけ口を付けたら仲間にくれる良い人だ!!


翌日は、スヤスヤ眠るK西さんをたたき起こす。

「まだ早いじゃない。」とまた寝ようとするが、先が長そうなので無理矢理出発。

二俣までは意外と距離があるが、階段状の易しく登れる滝がいくつも続き楽しいところである。

三俣までも同様に快適で、美しいナメも多い。  

三俣では左に入り、更に奥の三俣では真ん中を行く。

緑の苔の絨毯が源頭をおおいつくしていて見事である。

ぽつりぽつりと幼木が生える斜面を、時々ズボッと苔を踏み抜きながら破風山と雁坂嶺との鞍部に到着。(これもK西さんのルートファインデイングのおかげ!)

雁坂峠から広瀬ダムの「道の駅みとみ」へ下山する。  

K西さんはお疲れの所をすぐにバイクで車の回収に向かって下さった。


うど子はその間観光客の奇異の目を浴びつつもビールを飲んでおったという、これぞまさしくお大臣、お姫様山行!

ごめんなさい!ありがとうございます、沢の貴公(奇行)子コニタン。

さすが真のリーダー。何から何まで本当に御世話になりました。 これに懲りずにまた遊んで下さい!(^^;)

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沢登り山岳会 遡行同人 梁山泊 - 山をまるごと楽しむ!

遡行同人 梁山泊は「沢登り」を中心に、山スキー・岩登り・アイスクライミング・雪稜登山など、四季を通じて山をまるごと楽しむ山岳会です。拠点は東京で、安全登山を心がけており焚き火、山菜&きのこに興味がある方、未経験者・初心者も大歓迎です。