魚野川本流
2001.7月20日~22日
CL USAN、Y田、T橋(克)、みど、S藤(昭)、S藤(博)、うど子
切明の集合場所に到着したのは、夜も明けてうすく靄ののこる朝であった。
長時間運転お疲れさまでした。いつもながらありがとうございます。
Y田さんと、一足早く到着していたみちのくブラザースの昭一さん、博美さんは、それから更に志賀の高天ヶ原まで車をデポしに行って下さった。感謝。
デポ隊も戻ってこられ、総勢7人、快晴の中を渋沢ダムへ向かって元気良く?出発。
約一名を除いては、かなり年齢高めのパーテイーである。(毎度のことか。)
林道を少し行き、吊り橋を渡るとつづら折れの急登が始まる。
夏のお日様の下、寝不足の朝一番の急登はこたえるが、綺麗なつづら折れなのでなんとか行ける。
大汗をかきつつ30分も歩くと急登は終了。
あとは延々と渋沢ダムまで平坦な道が続く。
本当に平坦で広く快適な道だ。自転車でやってくる人も多いらしい。
気分良く歩いた後、渋沢ダムの吊り橋を渡ったところで昼食とする。
冷やし中華はあっというまに皆でたいらげてしまった。
もう1ラウンドは軽くいけそう。なので、とっとと先を急ぎ、テン場で早く宴会をする必要がある。
本流出合いより、広い川原を思い思いに行く。
水は浅いが、その割にはとても水圧が強い。見た目とは大違い。
ところどころ右、左と枝沢が空中高くシャワーをかけて入ってくるのが、お日様に光ってとても美しい。
ああ、今、本当に魚野川本流に来ているのだなと、徐々に実感が深まっていく。
感動には浸りつつも、なんだかとっても人が多い。
3連休ではやむを得ないが、ここまで多いとは思わなかった。
次々と何組ものパーテイーを見送ったが、渋沢ダムから本流を最後まで詰め上がるパーテイーは結局は我々のみであったようだ。
千沢を分けるとすぐに廊下状となり、川幅が狭まる。
楽勝に岩の上を行けるのだが、Y田さんが「水線どおし。」と一言ピシャリ。
予想通りの展開である。 当会はお水系なのだ。これも練習。
みどちゃんを先頭にみんなでダンゴになって押せ押せで右岸を泳ぐ。
みどちゃんとうど子の美女コンビはマッチョなおじさま軍団とは違い、体がスリムで美しすぎるのでお水系は苦労するのだ。
今回、Y田さんは私達美女コンビにルートファインデイングの練習をさせようと先頭を行かせてくださった。ありがたい?親心である。
すぐにこの「丹波川そっくり地帯」は終わり、右岸より高沢が入ると目の前にはドドーンと大ゼンがあらわれた。
緑の森の中、広々とした川幅一杯のナメに美しいすだれがかかり、釜には碧の水をゆったりと湛えている。
すばらしいところだ。
おだやかな風景にこころが充たされる。
ほどなくテン場予定地の黒沢出合いに到着。
だが、すでに良い場所には先客あり。
しかし、出合いは広く7人分の寝床はバッチリ確保できた。
焚き火もおこし、今日はここまでと沢装を解く...
煙に燻されながらビールをプシュッ!この一瞬のためにガンバッております、ハイ。
翌朝、のんびり朝食をとっていると、これまた下流から人が...いったいこの先何人入っているのやら。
さて、我々も重い腰を上げるとする。
本日の目標はイワナと山菜をメインとした豪華晩餐をとることである?
キョロキョロと夕食のおかずをゲットしつつ行けば、次々と美しいナメとカマの連続である。
魚野川の美の核心部か。
魚止めゼンは左から快適に越す。楽しい!
奥ゼン沢を分けるとまもなく小ゼン沢の出合に着く。
本流には燕ゼンがかかり、右壁から小さく巻きぎみに登る。
沢が左に曲がると、薄暗い屈曲点には庄九郎大滝があらわれる。
水量が少な目のせいか、大滝というには迫力不足だが、今まで滝らしい滝がなかったので新鮮に感じる。
左岸にはルンゼがかなりの高さまでのびていて、見上げると、途中2本のあやしいヒモが垂れ下がっている。
ここでY田さん、ザイルを下さいと言うが早いかさっさと滝を直登。
ここは水流左から登ったが、大きな浮き石もあり、ホールドももろく、おまけに落ち口では頭からざんぶりと水をかぶるので、ロープを付けて大正解だと思った。
ずぶ濡れで非常に寒い。
天気も怪しくなってきた。
ふるえながらゴウトウと呼ばれる巨岩地帯に突入。
チビ短足で、しかも頭のあったかい私はこういうところは苦手である。
必死に短い足をあげパズルを読み解こうと苦戦していると、他のメンバーは別ルートから楽勝に先行していたりする。
短足のせいではなく、ただの修行不足らしい。
えんえんと巨岩地帯は続き、しつこいねと言う感じで乗っ越していく。
やがて巨岩地帯が終わると、さすがの魚野川も水量をぐっと減じたようだ。
沢幅も次第に狭まり、多少なりとも高度は上がってきた感じである。
本日のテン場予定地は南ノ沢出合い付近なので、のんびりとおかずを調達しながらの遡行である。
良い寝床を探しつつ歩くも、そこここに先住者の煙あり。
ポツリポツリと雨粒を受けながら二俣を過ぎ北ノ沢まで来てしまい、狭いところに無理矢理宿をしつらえた。
豪華に?イワナ寿司をメインとした晩餐を済ませた頃、とうとうバケツをひっくり返したようなドシャ降りとなる。
雷もゴロ、ピカ、ドッカーンと恐いのだった。
私の寝床は水線から高さ10センチもあるだろうか。距離は5センチ!頭の後ろは水みちでもある。
シュラフは雨にたたかれ、足元はヒタヒタピチャピチャと水の気配が。
どうにも落ち着かないが、かなり上流まで来ているから大丈夫と自分に言い聞かせて眠りについた。
しかし見る夢は増水で逃げる夢ばかりだった。
翌朝は快晴。何事も無かったかのように平水に戻っている。(実際、何事もありゃしなかったのだが。)
今日はツメて下山するのみ。
寺子屋峰から高天ヶ原へ降りるルートをとる。
昨日のうちにかなり上流まで来ていたので気が楽である。
時期が時期ならさぞやウマかろう超極太スペシャル最高級ネマガリをかきわけながら皆でルートを選びつつ行くと、源頭近くで釣り師に会い、最短ルートを教えていただいた。
なるほど登山道まで赤テープに導かれ、最後のヤブは刈り払われている。
おかげさまで労少なくして登山道までたどり着くことが出来た。
あとは寺子屋峰めざしてキツイ登りをこなす。
寺子屋からは雪のないスキー場をいく。
毎年ここにはスキーに来ているが、雪のない姿を見るのは初めてである。
観光客が大勢いてお花畑を見物しており花の名前を聞かれたが、喰えない花の名前は知らない。
どうやらキタナイ姿の我々は皆様の視界を汚している模様。
我々はと言えば、アルピニズムとはほど遠く、我先にとリフト代を手に握りしめ、ビールめざしてリフトで無事下山。
切明に置いた車の回収をしていただく間、運転手はさぞお疲れだろう、本当にありがたいことだと、残留組は冷えたビールなどを片手に駐車場で感謝の会を開いていたのだった。
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