GW後半は裏越後三山(荒沢岳~中ノ岳~越後駒)へ

昨年のリベンジを果たす!素晴らしい山だった!


CL;トミー、NAS、うど子、トシ、勇ちゃん、伸


GW後半は昨年のリベンジで、荒沢岳~駒ヶ岳に抜ける周回ルートを計画。


昨年は、悪天にやられて一つのピークも踏めず、雪原大宴会に終わったが今年はどうか。

上空に入った寒気の影響で、朝から雪。銀山平の駐車場で待機すること1時間。

う~ん、今年の天候はどうだろうか…このルートは稜線がだだっ広いので視界がないとヤバい。どうやら寒気が数日は居座る模様。恨めしく上の雪原を見ていたら、テンが遊んでいるではないか、ん?テンのお迎えか?


9時、小雪舞う中出発の決断。4日分の荷が肩に食い込む。ルートは去年偵察?しているのでさっさとミミズ尾根に乗る。

雪は時折激しく降ってくるが、今日はアプローチの気楽さがあり行けるとこまで行けば良いさと前向きに考える。

今回は去年にも増して雪が多い。そこに連休で新雪がきておりなんだかGWとは思えない純白な雪景色。

技術的にさして難しいルートではないが、本来目視できるはずのクレバスやブロックが何事もないように隠されているので、気は抜けない。


2時間ほど進むと、左手から尾根が合流。ミミズ沢の源頭付近からヤブの細い尾根に入る。

予想よりもヤブは薄く歩きやすい。約2時間に及ぶやぶ漕ぎは湿雪でびしょ濡れ覚悟だが大したことなし。

この頃から天候が回復し始め、蛇子沢から荒沢岳まで望め歓声があがる。


蛇子沢源頭部の急斜面は降雪直後で雪が不安定なのでとても行く気がせず、右手からの急な沢型の斜面をルートに選ぶ。

こちらの斜面とて不安定な雪ではあるが、ずっとマシ。これを腿~股までのラッセルで抜ける。

すぐにまた藪に入る。こんどの藪は枝がからまりちょっとめんどくさいが、20分位で抜けた。


上部が見渡せるようになり、あまりにも美しい純白の稜線にあっけにとられるが、遠くの雪原に黒い生き物が走る…熊だ。おお、逃げ足が早い。

この先、藪を避けて右手から雪の急斜面を登るとやせ尾根となりまた腿までのラッセルに。

NOトレースが楽しいが、どこに陥穽が待ち受けているかもしれず、あなどれない。


小ピークにたつともう16時近い。降雪直後は純白で美しいが、ラッセルもありそれなりに時間はかかる。

主稜線まで今日中はとても無理なので、幕場を探すが、すぐ下った鞍部が絶好であった。


駒方面はもちろんのこと、日向倉・未丈・毛猛、村杉半島が丸見えだ。

つい先日未丈や村杉で遊んできたうど子とNASさんは満足げに眺めている。


一時間位雪遊び?整地をして安心なテント場が完成。

17時を過ぎても明るく、絶景なので外で宴会しようか!という声もあるが、すぐ寒くなるから中でしようよ。と冷静な声。

で、いつもの宴会。初日の夜はなぜか御馳走が並びます(和牛サーロインステーキ等)。これも楽しみ。

食って酔って歌って、シュラフに入れば、心配していた風もそよで大熟睡。


3時起床のはずが4時過ぎに起床。徹夜の疲れがあるのでよく寝たか。

心配していた天気は晴れ。6時過ぎに出発。 多少のラッセルはあるが、概ねほどよく歩きやすい。

ミミズ尾根上部は頭上を見上げれば大きな雪庇もうねっているが、天気良く爽快である。

慎重にルートを選びトレースを刻む。 8時過ぎに主稜線に到着。


穴にはまりやすい体質の若者が若干名いるようだ。

空身で荒沢岳を1時間ほどでピストン。やった!荒沢岳山頂だ!

まだまだ先は長いが去年の借りはまず返した気持ち良さ!


ラッセルと言ってもさほどのことはないが、ヒドゥンクレバスもありルートファインディングもある。

やはり真っ新な雪面に自分で足跡を刻むのが醍醐味である。

苦労はあるが、喜びは天と地だ!

快晴の荒沢岳ピークを後にする。

荒沢岳ピストンの2人組が後続で上がってきた。他に登山者の姿は見なかった。


さてと、我々はここから兎岳までがお楽しみの尾根歩きだ。私しゃ、この稜線が歩きたくてこの計画をたてたようなもの。

山々は深くどこまでも視界は広がり、地球の上を歩いてる実感あり。

照りつける日差しは強烈でたびたび休憩。 若手のトシ、伸、が率先して先頭に立ちトレースを刻む姿が頼もしい!時々ズボッとはまるがお愛嬌。


我々以外誰も居ないこの純白の稜線は天国だ!


灰の又山付近は尾根広く、視界が無いと行動は非常に難しい。

今回は寒気が入っており、不安定な天候を気にしながらの山行ではあるが、今のところ幸い快晴に恵まれている。

おかげ様でこのドピーカンでは迷いようもなく快調に歩を進めることができる。はるかに続く稜線、兎岳を目指すのみ。


源蔵山付近のだだっ広い雪原は樹林の別天地。目の前には真っ白な兎が大きくどっしり鎮座。デカいなぁ。

本物のウサギたちが気持ち良さそうに走っていった。

中ノ岳、駒、八海山、大水上山、丹後山、巻機、平ヶ岳…真っ白に新雪をまとった山々はGWとは思えない姿で誠に荘厳で美しく言葉を失うほどだ。いやはや、ホントにいい所だ。

ただ通り過ぎるにはあまりにも後ろ髪引かれる素晴らしいロケーションに、寝転がる。

幕場にどう!と提案するが、まだ午後2時頃で、NASさんに「進もうよ、」と冷静に却下される。


巻倉山を過ぎ、兎との鞍部に幕場を決める。風が強そうな場所なので、念入りに工事。

絶景の越後の山々を360度眺めて、実に贅沢な幕場。 冥途の土産にと写真を撮る若干名のシニア?あり。


さぁ、テントの窓を開けて乾杯だ!こんな良い思いはめったにできないが、神様に感謝。



5日 快晴、6時出発。越後駒までの行程は長い。

兎岳へトラバースしながら登るが、クラストしておりスリップは致命的だ。トシ先頭で行く。中々頼もしくなってきた。

NOトレースのこの大斜面、スケールがデカくて快感である。脳髄?が「気持ちぃ~!」って叫んでる。

辿り着いた兎の頂上がまた絶景!

国境稜線一望。北ノ又の源頭部が丸見え。ああ、贅沢だ!皆笑顔。

だが楽勝気分には恐るべき陥穽が待ち受けていた。トミー先頭で一人先行して下っていたが、注意力が落ちていた。

足が沈みにくい所を選んでいたらいつしか右に寄りすぎた。次に右足を出した瞬間、「みしっ」という鈍い音とともに瞬間、亀裂が走り、足元から雪庇が崩壊。家何軒ぶんかドーンと落ちて行ったのである。

危機一髪。咄嗟に足を戻せたのは、運がよかっただけ。巻き込まれたらただでは済まぬところ、完全な油断であった。


このところ降り続いた雪で脆い雪庇や隠れクレバスがあるのは分かっていた事で、油断大敵だ。山は危ない所なのだ。


気を引き締め直して中ノ岳を目指す。 このあたりになると他のトレースも出てきた。他の登山者もボチボチ、一般道にたどり着いた雰囲気である。

日向尾根付近を見やるとまた熊を目撃、猿も居る。


うど子が先頭で頂上へ。避難小屋の屋根が出ており皆で日向ぼっこ。

目指す駒は遠い。下り始めると、今度は勇ちゃんがこちらに向かって「救助!」と言っている。駆け降りると先頭を行っていた伸が笑顔で隠れクレバスにはまっていた。深さ2メートルくらいで浅く自力で脱出しことなきを得た。

あちこちに落とし穴が待ち受けているので油断大敵。


次の難場は檜廊下で雪多く腐っていて歩きにくい。以前来た時は夏道が露出していたが、今回は埋もれている。念のため1か所ロープを使用した。

途中、巻機山から縦走してきた単独行者に抜かされる。何日入ってたんだろうか?ウーム。



檜廊下を過ぎると駒ヶ岳への急登が待っている。

長時間の行動で疲れたが、特に悪いところもなく頂上手前の雪原へ。

16時なので、幕場に決める。で、また小1時間の整地とブロック積みで幕場完成。

今日もテントの入口を開けて美しい夕景を眺めながらの宴会が始まった。乾杯!

勇ちゃんのつまみが度胆をぬいた。最終日にして巨大な豚足…オイオイ…精力剤?

うど子も舌好調で…。つまみもこれでもか、と出ており、あと3日間位持ちそう…。

雪山でこんな食料を持つのは条件の良い日限定だが。

宴は楽しすぎで、最後の夜が更けてゆく。


6日 ☀6時発。駒ヶ岳の頂上で握手。

一気にトレースが増えた。谷筋にはシュプールも走る。アイゼンをしばらくはつけていたが、気温上昇で、雪が緩むとはずし、大斜面をシリセード大会に。遊びながら下り小倉山から道行山へ。

柳沢方面もしっかりトレースされている。


林道でふきのとうをひろいながら、14時駐車場に下山。


昨年のリベンジ成り全員でガッチリ握手!ついでにフキノトウの天ぷらを揚げて盛大にお祝いの儀を行った。

なぜ車にしっかり油と粉が積んであるんだかはあえて問うまい。準備が良いと言うかなんつうか。


最後の宴のあとは白銀の湯につかり汗を流す。露天風呂からぐるりとルートが望めて感慨深い。


実に贅沢な残雪縦走でした

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沢登り山岳会 遡行同人 梁山泊 - 山をまるごと楽しむ!

遡行同人 梁山泊は「沢登り」を中心に、山スキー・岩登り・アイスクライミング・雪稜登山など、四季を通じて山をまるごと楽しむ山岳会です。拠点は東京で、安全登山を心がけており焚き火、山菜&きのこに興味がある方、未経験者・初心者も大歓迎です。