雪上訓練
場所:川場スキー場の片隅
メンバー:オベ、うど、トシ、Dアライ、みのり
記:オベ
通常、うちの会では、雪上訓練は12月に行っているが、どうもここ数年、12月の積雪状況が芳しくない。
本当は、富士山のツルピカ斜面で行いたいんだけど、どうも塩梅が悪い。昨年度は、真っ黒な富士山をあきらめ、アルプスに行けばなんとかなるんじゃなかろうかと、中ア千畳敷にしてみた。が、雪はあってもツルピカ斜面はなく、バスとロープウェイを乗り継いでいった割には、イマイチな結果であった。
それならば思い切って時期を遅らせようと、今年度は年間計画段階からひと月遅らせ、1月にしてみた。やはり12月の積雪がイマイチだったので、1月に期待していた。
しかぁし!!訓練当日は、期待を上回る、最強の寒波到来との予報。候補に考えていた富士山・谷川とも論外。どうしようかと、集会で呻吟していたら、うど姐より「川場なんてどう?」との提案。一も二もなくこの案に乗っかる担当のワシであった。
【14日】
川場スキー場の駐車場は、うど姐によるとそれはそれは素晴らしく、トンでもなく快適な夜を過ごせるらしい。ただ、18時頃に閉鎖され、夜中の1時頃開放されるとのこと。18時に行くのはちと無理目、逆に夜中の1時到着では、アプローチの雪道走行が危険。ということで、今回は途中の道の駅で幕営する。持ち寄ったつまみと、Dアライ氏謹製ラムしゃぶをつつきながら、入山祝兼新年会を行い、就寝。
【15日】
8時半頃出発。途中、Dアライ氏の愛車ロシナンテ号が坂道を登れなくなるというハプニングがあり、やや降りたチェーン無料レンタル場に残置。トシ隊長のノーリミット号に全員乗り合わせ、川場スキー場へ向かう。
支度後、リフト券売り場で鳩首会談。今日の天候を考え、稜線までは上がらず、入口付近の裏手にある斜面を使わせていただくことにし、訓練開始。
積雪は多いが、降雪直後のフカ雪。この雪を踏む固めることから始める。上部で固い層にぶつかったと思ったら、石交じりの草付が。このエリアはアイゼンでのトラバース訓練に使うこととし、斜面のラッセル→上部でアイゼン歩行の練習、を繰り返す。
ほぼラッセル訓練状態
”踏み固めた”と言っても、とてもツルピカとはいかないので、その後の滑落停止訓練はやや形だけ。次に、雪面でのアンカーの取り方等の研究。
スノーボラードによる懸垂
お昼になったので、なんとゲレ食へ。堕落っちゃぁ堕落、贅沢っちゃぁ贅沢。ビールが旨い(笑)。
食後、各種確保方法(腰がらみ、ブーツアックスビレイ、スタンディングアックスビレイ)を一通りなぞり、本日のメインイベント。
これまで、スタンディングアックスビレイで、被確保者の制動確保の訓練はやったことがある。しかし、被確保者が動けない状況に陥っていたら、制動確保で自分にのしかかる加重から逃れ、動ける体勢になり、被確保者の救助をしなきゃならない。これをどうやるか、試したことがなかったのだ。うど姐がネットで見つけてきた某テキストと首っ引きでやってみる。
全員、見よう見まねで一回ずつやってみたところで、いい頃合い。風雪も本格的になってきて、ゲレンデでも厳しい状況になってきたので、ここで訓練を終了。
装備を解き、ノーリミット号で、ロシナンテ号の残置場所に向かい、前にある温泉で汗を流し、帰途についた。
【所感】
雪上訓練における制動確保の動画等を見てると、ソリとかボディボードとかで被確保者がすっ飛んでいくやつがある。
あれだと、雪面がツルピカでなくてもよく滑りそうなので、今度試してみたい。
制動確保からの抜重と支点への加重移動は、資料によれば、
1 制動側(被確保者と反対側)のロープをハーネスのビレイループに仮固定(加重はハーネスにかかる)
2 被確保者側のロープ(自分のビレイループの下あたりの位置)にフリクションノットを施し、これもハーネスのビレイループに止めて、1の仮固定を解除(同じくハーネスに加重がかかるが、肩にかけたロープの加重から解放)
3 被確保者側のロープ(支点のピッケルより先のクライマー側に延びるところ)にフリクションノットを施し、ピッケルから伸びている支点にとめる
となっているが、加重がかかった状態で、仮固定やフリクションノットを作ることはとても難しし、2→3に移るときに、どうしても引っ張られてしまう。このヘンを楽にうまくできないか、ちょっと考えてみたいと思う。
加重に苦しめられるDアライ氏。
来年は、やっぱり一泊で富士山かなぁ。
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