八ヶ岳 阿弥陀北稜
2004/1/10-12
CL T岡、USAN、克明さん、岡ちゃん、うど子
1月10日
17時半頃行者小屋めざして、美濃戸を出発。 あたりはすでに真っ暗である。
過積載のでかザックを肩にくいこませながらよく踏まれた道をたどる。
ベースまでという気楽さからか、皆ザックの大きさが異常だ。
毎度のことだが宴会グッズが多すぎるのだ。
今日は下界では晴れていたが、途中すれ違いに降りてきた人の話によれば山は一日吹雪いていたとのことだった。
21時頃行者小屋到着。
着いてしまえばこっちのもんだ、少し高台にテントを設営。
よく晴れているが、頭がキンキンするほど冷えていて風も出てきて寒い。
軽く宴会し、おとなしく12時過ぎにはシュラフにもぐった。
11日は4時半に起床!
よく晴れている。(行かざるを得ない。)
今日は強い冬型らしい。
リハビリ中の克明さんにテントキーパーをお願いし、7時出発。
行者小屋からは、文三郎方面への道をすぐに右に折れ、北稜ジャンクションピークへ続く支尾根に乗るべく樹林の中のトレースをたどる。
トレースにはすでに行列ができているほどで歩くのは楽だが、ラッセルだとルートファインディングも含め時間がかかりそうだ。
JPから第一岩峰への短い雪稜は若干傾斜が強まり、左側は急斜面である。
沢登りの高巻きと同じ感覚で、灌木を掴んでぐいぐいと登る。
雪はあまり多くないようだが、なにしろ風が強くとても寒い。
あっというまに第一岩峰基部に到着。
先行パーティーがすでにザイルを出して岩峰のやや右よりのフェースに取り付いている。
我々はT岡さんを先頭に岩峰左の凹角から行くことにする。残置ピンもちゃんとある。
資料には岩峰を左から楽に巻けるとあったが、今回見たところでは急なルンゼにサラサラ、スカスカの雪が溜まっていて這い上がるのに相当苦労しそうだ。我々の足元の雪もスカスカである。
条件にもよるのだろうが素直に登るほうが楽かもしれない。
30mザイルではちょっと足りなくて、ビレイの私は少し上にあがることにする。
私は冬のヴァリエーション(?)初体験である。アイゼントレすらしていないという有様。
それにしても冷たい強風が容赦なく吹き付けてくる。
寒いよー、痛いよー。これは修行そのものだ!なんで好き好んでワザワザ?(^^;)
こんなところで数パーティーも行列をつくっているなんて、世間の人は考えもつかないだろうなあ。
ほーんとマニアックな世界だなあ。
登攀自体は凹角のはじめこそ若干の戸惑いを感じたが、あとはスムーズである。
全体に大きなガバが多い。
凹角右のカンテや、更に右の先行パーティーの使ったフェイスを行けばもっと楽かもしれない。
第二岩峰は第一岩峰より更に簡単。たたきつける冷たい強風から逃げるようにさっくり終わる。
短いナイフリッジをたどると阿弥陀頂上はすぐそこだった。
一応ヴァリエーションなので…ということでニッコリ握手をかわし、360度の展望を眼下にする。
雲ひとつなく、富士山も見事である。
頂上からは中岳方面へと急な一般道を下る。
雪が少なくて半分くらい夏道が出ているが、アイゼンを岩にとられないようにと慎重に足をはこぶ。
赤岳と中岳間のだだっ広いコルはものすごい風!
体の小さいうど子は飛されないように立ってるだけでも精一杯、耐風姿勢をとるだけでもパワーを全開、ううう、ざぶいようー。
風に煽られながら文三郎との合流点まで一歩、また一歩とやっとの思いでたどりついた。
へろへろだあー。
冬ヴァリ入門初体験の印象---「寒い!風強い!」これにつきます。
最悪でも赤岳を越えて地蔵を下る予定であったが、強風で私が終わってしまったせいで、そのまま文三郎を下って行者小屋へ戻ることになった。
文三郎に入ると風も弱まり元気回復、「天気も景色も良いし、今日は最高だねー!」などと現金なものである。
テントにもどるがまだまだ昼過ぎ、あとはお決まりの豪華宴会コースへ突入。
山と宴会とどっちが本番なのかあやしい。
少なくとも気合に関しては宴会の方が入っているのではないか。
まず鍋の具がすごい。出るは出るは、大量の野菜は言うに及ばず、骨付きの鯛、えび、ハマグリ、骨付き鶏肉…ダシは液体でペットボトルに入ってるし…パティシエ岡ちゃんにいたっては、寒いテントの外でデカい泡だて器を器用にあやつりヴァンホーテンのココアジェラートをこしらえ、炎のフランベ演出付きリンゴ、バナナを添えるという芸の細かさ。(家で一人で練習しているのだろうか?) いったい、みんな何しに来たのでしょうか。
翌朝は、軽くなったザックを背に脱兎のごとくアッというまに美濃戸に下りました。
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